借地権課税を徹底解説!注意点と節税対策

不動産取引の初心者
『借地権課税』について教えてください。

不動産の研究家
『借地権課税』は、他人への土地使用のために借地権を設定するときに、土地価格の2分の1を超える権利金が授受されると、譲渡所得税が課されるものです。

不動産取引の初心者
他に課税されるケースはあるんですか?

不動産の研究家
土地の使用賃借契約で固定資産税を超える額の受払いがあると借地権の設定とみなされ課税されます。
借地権課税とは。
不動産に関する用語に「借地権課税」があります。他人に土地を使用させるために借地権を設定すると、土地の価格の半分以上を権利金などで受け取った場合は、譲渡があったと見なされ、譲渡所得税が課税されます(所得税法施行令第79条)。
また、土地の賃借契約(民法第593条)でも、固定資産税を超える額の賃料を支払うと借地権の設定とみなされます。さらに、法人の場合は無償返還届出がなければ、借地権の課税対象とされます。
ただし、相当な地代制度を利用している場合は、無償返還の届出か路線価による地代の届出を行っておくことで、借地権の設定課税を回避することができます。
借地権設定時の課税対象となる権利金とは?

-借地権設定時の課税対象となる権利金とは?-
借地権設定時、土地所有者に対して支払われる「権利金」は、課税対象となります。権利金とは、借地人に対して土地の利用を許す見返りとして支払われる一時金のことで、土地に対する一種の対価とみなされます。
借地権設定時に支払われた権利金は、土地譲渡所得として扱われ、譲渡所得税の対象となります。譲渡所得税は、土地などを売却した際に得た利益に対して課される税金です。権利金の課税額は、権利金の金額から必要経費を差し引いた譲渡所得額に、税率を乗じて計算されます。
土地使用賃借契約にも課税の対象が?

-土地使用賃借契約にも課税の対象が?-
土地使用賃借契約とは、所有者から土地を借りて利用する契約のことです。借地権課税の対象となるのは、土地を賃借する場合の権利です。したがって、土地使用賃借契約も借地権課税の対象となります。
しかし、借地権課税は、土地の利用状況や契約内容によって課税の有無が異なります。例えば、事業用として土地を使用している場合や借地権の譲渡が制限されているような特別な契約の場合には、課税が免除されることがあります。
法人に借地権課税がかかる場合

借地権課税の適用範囲は、個人だけでなく法人にも及ぶことに留意が必要です。法人が借地権を保有するケースでは、次の2つの場合に課税対象となります。
1. -借地権付き建物を所有している場合-
– 法人が借地権付き建物を所有している場合、その建物の床面積が500平方メートルを超えていると、法人に借地権課税が課されます。床面積が500平方メートル以下の場合は非課税です。
2. -借地権のみを保有している場合-
– 法人が借地権のみを保有している場合、その借地権の期間が10年以上であると、法人に借地権課税が課されます。借地権の期間が10年未満の場合は非課税です。
相当の地代制度による課税回避方法

相当の地代制度によって課税を回避する方法があります。この制度では、通常の借地権の評価額の代わりに、借地権が設定されている土地の地代を課税基準とします。つまり、地代が低額であれば、課税額も低くなります。
借地権の評価額は、一般的には、土地の評価額の一定割合で計算されます。しかし、相当の地代制度を利用すると、この割合を低く抑えることができます。具体的には、借地契約書に定められた地代に年2%を加算した金額を評価額とすることができます。
この制度を利用することで、借地権の評価額を低く抑え、課税額を削減することができます。ただし、地代が低すぎる場合、税務署による調査が入る可能性もあります。そのため、実勢の地代と乖離のない範囲で地代を設定することが重要です。
借地権の無償返還による課税回避

-借地権の無償返還による課税回避-
借地権を課税対象から外す方法として、借地権の無償返還があります。これは、所有者に対して借地権を無償で返還することで、土地所有者としての地位を取り戻す方法です。その際、建物は借地人または第三者に譲渡します。
無償返還後の土地は所有者の所有物となり、借地権料の収入はなくなります。これにより、借地権課税の対象がなくなります。ただし、注意が必要なのは都市計画税です。都市計画税は土地の所有権にかかる税金であり、返還後も課税対象となります。