セットバックとは?建築基準法で定められた、建物の後退距離

不動産取引の初心者
先生、『セットバック』ってどういう意味ですか?

不動産の研究家
建築基準法で定められている用語で、建物の外壁を敷地境界線から後退させることを指すよ。

不動産取引の初心者
なぜ後退させる必要があるんですか?

不動産の研究家
斜線制限や道路幅員の確保などの理由があるんだ。特に幅員が狭い道路に面している場合は、道路中心線から少なくとも2m後退しなければならないよ。
セットバックとは。
建築用語の「セットバック」とは、建築物の外壁を敷地の境界線から後退させることを指します。これは、建築基準法に基づいて定められており、2つの場合に行われます。
1. 斜線制限による後退:日照や風通しを確保するため、隣接する建物に対して斜めに後退させる必要があります。
2. 道路幅員の確保による後退:道路の幅員確保が必要な場合、道路中心線から一定距離後退する必要があります。なお、幅員4メートル未満の「みなし道路」(2項道路)に面している場合、少なくとも道路の中心線から2メートル後退する必要があります。
セットバックとは?

セットバックとは、建築基準法で定められた、建物の後退距離のことです。建物の周囲に一定のスペースを空けることで、採光や通風を確保したり、火災などの際の避難経路を確保したりすることを目的としています。セットバックの幅は、建物の用途や敷地の広さなどによって異なり、それぞれ細かく定められています。この規定に従うことで、周辺環境に配慮した安全で快適な街並みが形成されています。
セットバックの種類

-セットバックの種類-
建築基準法では、建物の後退距離を「セットバック」と定義しています。セットバックには大きく分けて、道路や公園に接する前面セットバックと、隣接する敷地に接する側面セットバックの2種類があります。前面セットバックは、道路や公園から建物を後退させることで、交通の安全や採光を確保し、都市景観を保つことを目的としています。一方、側面セットバックは、隣接する敷地からの採光やプライバシーを確保するために、建物側面を後退させるものです。
斜線制限によるセットバック

斜線制限によるセットバックは、建築基準法で定められた重要なセットバックの種類です。建物の高さや前後の敷地との空き地を確保するために設けられています。斜線制限とは、建物の周囲に斜めに引かれる線のことで、この斜線を超えて建物を建てることができません。
斜線制限は、建物の採光や通風を確保し、隣接する建物の日照を阻害しないようにするための規制です。斜線制限によるセットバックは、敷地の前後だけでなく、側面にも適用されます。斜線制限の角度は、地域の用途や建物の規模、敷地形状によって異なります。
道路幅員確保によるセットバック

道路幅員確保によるセットバックは、道路の幅を確保するために必要な措置です。建築基準法では、一定の規模以上の建物については、道路中心線から一定の距離を後退して建築するよう定めています。この距離をセットバック距離といいます。
道路幅員確保によるセットバックの目的は、道路の通行を妨げないことです。建物が道路に接近しすぎると、通行の妨げになったり、歩行者や車両の安全を脅かす可能性があります。また、セットバックによって道路の拡幅や改良が容易になり、将来の交通量の増加に対応することができます。
みなし道路におけるセットバック

みなし道路におけるセットバックは、道幅が4m未満の通路が公道とみなされる場合に適用されるセットバックです。この場合、建物の敷地境界線から6m後退する必要があります。これにより、緊急車両の通行や避難経路の確保が図られます。また、みなし道路は所有者が私有地として管理していることが多く、セットバックが定められることで、通行権や光害などのトラブルを防ぐことができます。