木ずり漆喰塗りとは?塗り壁に用いられる工法を解説

不動産取引の初心者
「木ずり漆喰塗り」について教えてください。

不動産の研究家
木ずり漆喰塗りは、木ずりの上に漆喰を塗って仕上げる工法です。

不動産取引の初心者
木ずりって何ですか?

不動産の研究家
木ずりとは、塗り壁の下地に使用する幅3cm程度の木片のことです。
木ずり漆喰塗りとは。
「木ずれ漆喰塗り」とは、木製の板(木ずれ)の上に漆喰を塗る工法です。塗り壁の下地として用いられ、幅は通常3cm程度です。一定の厚さ以上のものであれば、防火構造として認められます。
木ずり漆喰塗りの概要

木ずり漆喰塗りとは、木製のへらを使用し、漆喰を壁面に塗布する伝統的な塗り壁工法です。この工法は、漆喰の優れた特徴である調湿性や防火性、防カビ性などを最大限に生かすことができます。
木ずり漆喰塗りは、以下の工程で行われます。まず、下地となる壁面に漆喰を薄く塗布します。次に、木製のへらを使用して、下地に塗った漆喰の上から、厚さ数ミリの漆喰を塗りつけます。このとき、へらを動かす方向や角度を変えながら、漆喰をムラなく塗布します。
木ずりの役割

木ずり漆喰塗りの重要な役割は、塗壁に適切な質感を持たせることです。木ずりとは、ヘラで漆喰を塗った後に、木製の板やコテを使用して表面を仕上げる技法で、これによりざらざらとした質感や模様を作成できます。この木ずりの仕上げは、塗壁の通気性を高め、湿気や水分を吸収したり放出したりするのを助けます。また、雨や風から塗壁を保護し、耐候性を向上させます。さらに、木ずり仕上げは塗壁に独特の表情を与え、建物の外観を美しく引き立てます。
防火構造としての活用

防火構造としての活用
木ずり漆喰塗りは、その耐火性に優れています。火災が発生した場合、漆喰は水分を含んで膨張し、それによって壁面を覆う膜を形成します。この膜が火炎や煙の侵入を防ぎ、建物や人命を守ります。伝統的な和風建築では、外部壁だけでなく内部の防火区画にも木ずり漆喰塗りが用いられ、火災時の延焼を抑制してきました。現代でも、木造住宅や耐火建築物などで、防火対策の一環として木ずり漆喰塗りが活用されています。
木ずり漆喰塗りのメリット・デメリット

木ずり漆喰塗りのメリットとしては、耐候性・耐久性に優れている点が挙げられます。漆喰はアルカリ性のため、雨風にさらされても劣化しにくく、長期間美しい状態を保つことができます。また、調湿効果があるため、室内の湿度を一定に保ち、快適な空間を演出します。さらに、調光効果があるため、やわらかい光が反射され、空間を落ち着きのある雰囲気にします。
一方、デメリットとしては、施工に手間と時間がかかる点が挙げられます。木ずり漆喰塗りは、熟練した職人が熟練の技を駆使して何層にも塗り重ねる必要があるため、工程が複雑で時間がかかります。また、費用がかかることもデメリットです。漆喰そのものの価格が高価なうえ、施工に手間がかかるため、他の塗り壁工法に比べてコストが高くなります。
木ずり漆喰塗りに適した壁

木ずり漆喰塗りに適した壁は、表面が粗く吸水性のある壁が適しています。土壁や漆喰壁、モルタル壁などがこれに該当します。平滑な壁や、コンクリートむき出しの壁には不向きです。また、表面が脆い壁や、すでに他の塗料で塗装されている壁にも木ずり漆喰塗りはできません。木ずり漆喰塗りは、凹凸のある壁に独特の風合いを出すのに適した工法です。