不動産用語「区画の中心線」とは?種類と注意点を解説【木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造】

不動産取引の初心者
「区画の中心線」とはどういう意味ですか?

不動産の研究家
それは、建物の中心線のことです。工法や構造によって異なります。

不動産取引の初心者
木造の場合は柱の中心線ですか?

不動産の研究家
そうです。軸組工法の場合は柱、枠組工法の場合は壁の枠組材の中心線が区画の中心線となります。
区画の中心線とは。
「区画の中心線」と呼ばれる不動産関連の用語があります。この中心線は、建物の構造によって異なるため、以下に木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の場合について説明します。
-(1) 木造建築物-
* 木造軸組工法:柱の中心線が区画の中心線となります。
* 木造枠組工法:壁を構成する枠組材の中心線が区画の中心線となります。
* 丸太組工法:丸太材の中心線が区画の中心線となります。
-(2) 鉄筋コンクリート造建築物-
鉄筋コンクリートの躯体やPC板(プレキャストコンクリート板)の中心線が区画の中心線となります。
-(3) 鉄骨造建築物-
* 薄い材料(金属板、石綿スレート、石膏ボードなど)を張った壁:胴縁等の中心線が区画の中心線となります。
* PC板、ALC板(軽量気泡コンクリート板):外部と内部の区画を形成する構造体の中心線が区画の中心線となります。
区画の中心線とは?

-区画の中心線とは?-
区画の中心線とは、土地の境界線の中心を結ぶ仮想の直線のことを指します。区画の中心線は、土地の形状や面積を正確に把握する上で重要な役割を果たしています。また、建物を建てる際の基準点として利用され、建築基準法上の各種規制を遵守するための根拠にもなります。区画の中心線は、土地の形状に応じてさまざまな種類があり、木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造などの建築物の構造によって注意すべきポイントが異なります。
(1)木造の建築物/木造軸組工法の場合

(1)木造の建築物/木造軸組工法の場合
木造住宅において、区画の中心線は一般的に柱の位置で決められます。柱は建物の骨組みを支える主要な構造部材であり、その中心線が区画の中心線を構成します。木造軸組工法では、柱は一定間隔で配置され、それらを結ぶ梁や筋交いで構成された軸組構造を形成しています。区画の中心線は、この柱の中心線を基準として決定されます。
(2)鉄筋コンクリート造の建築物/鉄筋コンクリートの躯体やPC板(プレキャストコンクリート板)の中心線

(2)鉄筋コンクリート造の建築物/鉄筋コンクリートの躯体やPC板(プレキャストコンクリート板)の中心線
鉄筋コンクリート造の建築物は、鉄筋コンクリートの躯体やプレキャストコンクリート板(PC板)によって構成されています。躯体やPC板の中心線は、建築基準法上、建築物の外壁面から1メートル以上内側にあることが求められています。これは、建築物の耐震性を確保するためで、もし中心線が外壁面から1メートル未満となってしまうと、地震時に建築物が倒壊する危険性が高くなります。そのため、鉄筋コンクリート造の建築物を設計する際には、躯体やPC板の中心線を建築基準法で定められた距離内に収めることが重要です。
(3)鉄骨造の建築物/金属板や石綿スレート、石膏ボードなどの薄い材料を張った壁の場合は胴縁等の中心線

(3)鉄骨造の建築物
鉄骨造の建築物では、外壁に薄い金属板や石綿スレート、石膏ボードなどの材料を使用している場合、外壁の中心線ではありません。胴縁(胴部を支えるための板)の中心線が「区画の中心線」になりますので、注意が必要です。
注意点

-注意点-
区画の中心線を活用する際には、以下の点に注意が必要です。
* 建ぺい率や容積率の計算に影響しない区画の中心線は、建物の設計や建築許可申請に直接影響しません。建ぺい率や容積率は、あくまで敷地の площадьに基づいて計算されます。
* 境界線と一致しない場合がある区画の中心線が必ずしも境界線と一致するわけではありません。測量上の誤差や、土地の形状によってずれることがあります。境界線に関する紛争を避けるため、正確な境界線の確認は不可欠です。
* 共有部分との関係区画の中心線が共有部分、例えば道路や公園と接している場合は、建物の設計や利用に制限が生じる場合があります。共有部分の利用条件を事前に確認しましょう。
* 道路の拡幅計画に注意区画の中心線が道路に接している場合、将来的な道路拡幅計画があると建物の設計に影響が出る可能性があります。計画内容を都市計画課などで確認しましょう。