ホルムアルデヒド発散建築材料とは？規制と対策を知る

ホルムアルデヒド発散建築材料とは？規制と対策を知る

ホルムアルデヒド発散建築材料とは

ホルムアルデヒド発散建築材料とは、主に樹脂系の材料や接着剤などに含まれているホルムアルデヒドという化学物質が揮発する建築資材のことです。ホルムアルデヒドは刺激臭のある無色透明の気体で、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。主に合板、パーティクルボード、繊維板、接着剤、壁紙、塗料などの建築材料から放出されます。

ホルムアルデヒドの健康への影響

-ホルムアルデヒドの健康への影響-

ホルムアルデヒドは、喘息やアレルギー症状、さらには鼻や喉の炎症などの呼吸器系の問題を引き起こす可能性があります。さらに、目がチカチカしたり痛んだり、頭痛や吐き気を引き起こすこともあります。皮膚が敏感な人では、かぶれや湿疹が生じる可能性があります。

長期的に曝露されると、より深刻な健康への影響が出る可能性があります。ホルムアルデヒドは発がん性物質であり、白血病や鼻咽頭がんのリスクを高める可能性があることが研究で示されています。また、妊娠中の女性がホルムアルデヒドに曝露されると、低出生体重児や先天性障害のリスクが高まる可能性があります。

改正建築基準法による規制

改正建築基準法による規制

2003年に改正された建築基準法では、ホルムアルデヒド発散建築材料の使用に関する規制が強化されました。特定建築物（学校や病院などの公共施設）に使用する建材には、一定のホルムアルデヒド発散基準を満たすことが義務付けられました。また、住宅についても、ホルムアルデヒド発散等級が設定されており、等級が低い（ホルムアルデヒド発散量が多い）建材の使用は制限されています。これにより、建築物におけるホルムアルデヒドの室内濃度を低減し、利用者の健康保護を図っています。

ホルムアルデヒド放出の対策

ホルムアルデヒド放出の対策として、以下の方法が推奨されています。

適切な換気 定期的な換気によって室内空気中のホルムアルデヒド濃度を低下させることができます。窓やドアを開けたり、換気扇を使用したりしましょう。

ホルムアルデヒド放出低減建材の使用 ホルムアルデヒド放出量の少ない建材や製品を使用することが有効です。このような製品には、F☆☆☆☆（フォースター）と表示があります。

空気清浄機 空気清浄機は、ホルムアルデヒドを含む有害物質を空気中から除去することができます。HEPAフィルターや活性炭フィルターを搭載した製品が適しています。

室温と湿度の調整 高温多湿の環境はホルムアルデヒド放出を促進します。室内の温度と湿度を適切に調整しましょう。

ホルムアルデヒド吸着剤 ホルムアルデヒドを吸着するゼオライトや活性炭などの吸着剤を室内に設置することもできます。定期的に交換する必要があります。

新築やリフォーム時の注意点

新築やリフォーム時の注意点

新築やリフォームの際には、ホルムアルデヒドの発散量を抑える材料を選択することが重要です。建材や家具などの材料には、ホルムアルデヒドを含有しているものがあり、空気中に放出されると健康被害を引き起こす可能性があります。ホルムアルデヒド発散量の少ない「F☆☆☆☆（フォースター）」や「F☆☆☆（フォースター）」と表示された材料を選ぶようにしましょう。また、換気を十分に行い、室内のホルムアルデヒド濃度を下げることも大切です。換気扇や空気清浄機を活用し、定期的に窓を開けて換気を行ってください。さらに、シックハウス症候群を引き起こす可能性があるホルムアルデヒドを含む壁紙や接着剤の使用は避けるべきでしょう。