『異常硬化』ってなに？住宅建築でよくある問題

『異常硬化』ってなに？住宅建築でよくある問題

異常硬化とは？

-異常硬化とは？-

異常硬化とは、コンクリートの本来の硬化速度を超えて急速に硬化する現象です。通常、コンクリートは水を加えて混合すると、徐々に硬化していきます。しかし、ある特定の条件が重なると、異常硬化が発生し、短時間のうちにコンクリートが硬く、脆くなってしまいます。

異常硬化の原因

異常硬化の原因は、主に以下の3つが挙げられます。

1. -過剰な水和とコンクリートの加熱- コンクリートを練り混ぜるときに、必要以上に水が加えられると、余分な水がコンクリートを過剰に膨張させ、硬化後に収縮してひび割れが発生します。また、コンクリートを打設した後に直射日光に長時間さらされると、コンクリート内部の水分が蒸発して加熱され、急激な硬化を招きます。

2. -コンクリートの組成不良- コンクリートの材料であるセメント、骨材、混和剤の配合が悪かったり、セメントの品質に問題があったりすると、コンクリートが適切に硬化せず、異常硬化が発生します。

3. -施工ミス- コンクリート打設時の振動不足や養生不足などが原因で、コンクリート内部に気泡や巣穴ができ、それが硬化後にひび割れとして現れます。さらに、型枠の脱型が早すぎると、コンクリートが十分に硬化していないうちに荷重が加わり、ひび割れにつながります。

異常硬化を防ぐ方法

異常硬化を防ぐ方法

異常硬化を防ぐには、いくつかの方法があります。まず、コンクリートの練り上げ温度を適正に管理することが重要です。25～30℃が適正とされています。また、セメントと水の比率を適正に保つことも大切です。セメントが多いと硬化が早まり、水が多いと強度が低下します。

さらに、コンクリートの打設後は、適切な養生を行う必要があります。養生とは、コンクリートを湿潤状態に保って硬化を促進させることです。養生期間は、使用するセメントや気候条件によって異なりますが、通常は7～14日間です。養生期間中は、コンクリートに水をかけるか、湿らせた布をかぶせて湿気を保つようにします。

異常硬化の対処法

-異常硬化の対処法-

住宅建築における異常硬化は、コンクリートが設計よりも過度に硬くなる問題です。この問題が発生すると、コンクリート構造物の強度や耐久性が損なわれる可能性があります。対処方法としては、主に次の4つがあります。

* -低アルカリセメントの使用-低アルカリセメントは、通常のセメントよりもアルカリ含有量が低いため、異常硬化のリスクが軽減されます。

* -骨材の選択-異常硬化の原因となる特定の骨材を使用しないことが重要です。シリカやカルサイトを多く含む骨材は、異常硬化を引き起こす可能性があります。

* -養生方法の調整-適切な養生方法により、異常硬化を防止できます。コンクリートを十分に湿らせながら养生し、急激な乾燥を防ぎます。

* -膨張剤の添加-コンクリートに膨張剤を加えると、内部応力を軽減して異常硬化を防ぐことができます。ただし、膨張剤の量は慎重に調整する必要があります。

異常硬化の注意点

異常硬化の注意点

異常硬化の際にはいくつかの注意点があります。まず、コンクリートの硬化スピードが通常より遅くなるため、作業の遅れにつながることがあります。また、強度が低下する可能性があり、構造上の問題が発生するリスクが高まります。さらに、表面にひび割れや剥離が発生し、美観を損なうだけでなく、耐久性に影響を与える場合もあります。これらの問題を防ぐため、施工時には適切な配合や養生を行い、異常硬化の防止を徹底することが重要です。