地すべり防止区域とは?その仕組みと開発・建築制限

不動産取引の初心者
「地すべり防止区域」って何ですか?

不動産の研究家
1958年に定められた「地すべり等防止法」に基づく、地すべりの発生や恐れがある土地を指定した区域のことです。

不動産取引の初心者
そこで何がいけないの?

不動産の研究家
地下水や地表水の利用、法面や切土の変更、施設の新設などが制限されています。そのため、開発や建築をする際は、自治体に申請が必要となります。
地すべり防止区域とは。
「地すべり防止区域」とは、地すべりを防ぐ法律に基づき、国が指定する土地のことです。地すべりがあり、今後起きる恐れが高い土地や、地すべりを悪化させる恐れがあり、公共に影響を与える土地などが含まれます。
この区域では、地すべりを助長する行為が制限されています。例えば、土地を掘ったり、地下水をくんだり、建物を建てたり、土地の形状を変えたりすることなどが制限されます。
したがって、この区域で開発や建築を行う場合は、市役所や町村役場などの自治体に相談して許可を取る必要があります。
地すべり防止区域の定義と指定基準

地すべり防止区域とは、地すべりの危険性がある区域のことを指します。この区域は、地すべり防止法に基づいて国や都道府県によって指定され、地すべりによる災害を防止するために、開発や建築に制限が設けられています。地すべり防止区域の指定基準は、主に以下の3つの要素を考慮して定められます。
1. 地質 地盤の構成や特性が地すべり発生に影響を及ぼすため、軟らかい地盤や粘着性の低い土壌がある地域が指定される傾向があります。
2. 地形 急斜面や谷間など、地すべり発生しやすい地形が指定されます。
3. 過去の地すべり履歴 過去に地すべりが発生した地域や、地すべりが発生する可能性が高いと判断される地域が指定されます。
地すべり防止区域内の制限行為の種類

地すべり防止区域内では、地すべりの発生や拡大を防止するため、特定の行為が制限されています。これらの制限行為は以下に分類できます。
* 土砂掘削禁止 地すべりの原因となる、法面や斜面の土を掘削することが禁止されています。
* 盛り土禁止 法面や斜面への重量負担となる盛り土を積むことが禁止されています。
* 樹木伐採制限 樹木は地盤を安定させる根系を有しているため、無秩序な伐採を制限しています。
* 地盤の排水制限 地すべり発生の原因となる地盤内の過剰な水分を排水する方法が制限されています。
* 湧水の排除制限 地中から湧き出す水は地すべり発生のきっかけとなり得るため、湧水の排除方法が制限されています。
地すべり防止区域内で開発・建築を行う際の許可申請

地すべり防止区域内で開発や建築を行う場合は、事前に都道府県知事に許可を受けなければなりません。開発や建築の許可を得るためには、地すべり防止対策に関する計画書を作成し、提出する必要があります。計画書には、地すべりを防ぐための工法や保全方法、地すべり発生時の対策などが記載されなければなりません。都道府県知事は、計画書の審査を行い、地すべり防止に支障がないと認められれば、開発や建築の許可を発行します。
地すべり防止区域指定による土地利用の影響

地すべり防止区域が指定されると、土地利用に影響が出ます。まず、建築物が建てられる面積が制限されます。地すべり危険個所が特定されている場合は、安全に居住できる場所の範囲が限定されるからです。また、建物構造に関する基準も厳格化されます。地すべりに耐えられるよう、特別な工法を用いたり、耐震性を強化したりすることが義務付けられます。さらに、開発行為にも規制がかけられます。例えば、造成工事や伐採が制限され、地すべりを誘発する恐れがある行為が禁止されます。これにより、開発による環境への影響が抑制されます。
地すべり防止区域の解除や変更

地すべり防止区域の制度においては、解除や変更を行う場合があります。地すべり防止区域に指定された土地が、地すべりの危険性が低下したと認められたり、開発の必要性が高まったりした場合には、地すべり防止区域の解除や変更が検討されます。この解除や変更の手続きは、都道府県知事が行い、関係者との協議や調査に基づいて判断されます。ただし、解除や変更を行う際には、地すべりの危険性を慎重に考慮し、安全性を確保することが何より重要です。