壁式工法とは?特徴やメリット・デメリットを解説

不動産取引の初心者
『壁式工法』について教えてください。

不動産の研究家
『壁式工法』とは、柱や梁などの骨組を用いずに、壁の厚みと強度によって建物の構造を支える方法です。

不動産取引の初心者
壁式工法のメリットは何ですか?

不動産の研究家
壁式工法のメリットは、空間を効率よく利用できること、経済的であること、そして高い力学的な安全性があることです。
壁式工法とは。
「壁式工法」と呼ばれる建築構造があります。主に低中層の共同住宅などに用いられます。柱や梁を用いないため、室内外に余計な出っ張りがなく、空間を有効に活用できます。また、壁の量や厚みに制限を設けることで強度を確保し、堅牢な建物となります。骨組み構造に比べて経済的ですが、柱や梁がないため、階数に限界があり、高層建築には適しません。
壁式工法の特徴

壁式工法の特徴は、その名の通り、建物の荷重を壁が受ける構造となっています。壁が主な耐力要素となるため、壁が頑丈に作られ、壁に沿って柱が配置されます。この構造は、外壁だけでなく、間仕切り壁も耐力壁として機能するため、建物の耐震性と耐風性に優れています。また、柱が少なくなることで、空間を広く使えるというメリットもあります。
壁式工法のメリット

-壁式工法のメリット-
壁式工法の主な利点は、その構造的な強度と安定性にあります。壁構造が建物の荷重を支えるため、柱や梁などの追加の構造要素が不要になり、広々とした開放的な間取りを実現できます。また、壁式工法は耐震性にも優れ、地震の揺れに対して建物を安定させます。加えて、施工が容易で、熟練した職人技が不要なのが特徴です。これにより、工期短縮とコスト削減につながります。
壁式工法のデメリット

壁式工法のデメリットとは、壁が構造を担う手法による特有の問題点です。以下に主要なデメリットを挙げます。
* -耐震性の低下-壁式工法では、壁が倒壊すると建物全体に大きな被害が出ます。特に縦揺れ(上下方向の揺れ)には弱い傾向があります。
* -採光の制限-構造壁は窓を開けることができないため、採光が制限されます。とくに、住居の内部は暗くなりやすいです。
* -間取りの自由度の低さ-構造壁が配置されているため、間取りの自由度が低くなります。大規模に間取りを変更することは困難です。
* -コストの高騰-構造壁を厚くする必要があるため、コンクリートや鉄筋などの材料費が高くなります。また、工期も長くなる傾向があります。
* -荷重の分散が難しい-壁式工法は荷重を壁に集中させるため、特定の壁に過度な力がかかることがあります。これにより、ひび割れや変形が発生する恐れがあります。
壁式工法の適応範囲

壁式工法の適応範囲
壁式工法は、中~高層の鉄筋コンクリート造建築物に適しています。壁柱やせん断壁を主な構造体として用いるため、耐震性に優れ、大規模地震にも対応可能です。また、外壁面を利用できるため、開口部を少なく抑えることができます。そのため、防音性や遮音性に優れ、外部からの騒音や振動を軽減できます。さらに、工期が比較的短く、コストを抑えられるのも特徴です。
壁式工法の耐震性

壁式工法の耐震性
壁式工法は、耐震性に優れています。建物にかかる地震力を、壁で受け止めて分散させる構造だからです。壁はコンクリートや鉄筋コンクリートで厚みがあるため、地震の揺れに耐えることができます。また、壁が連続して配置されることで、地震の揺れを効率的に分散して、建物全体に負担をかけにくくします。このため、壁式工法の建物は、地震発生時にも高い安全性を確保できます。