住宅性能保証制度とは?種類や特徴を紹介

不動産取引の初心者
「住宅性能保証制度」について教えてください。

不動産の研究家
「住宅性能保証制度」は、住宅の品質や性能について、販売業者などが10年間保証する制度です。

不動産取引の初心者
この制度の目的は何ですか?

不動産の研究家
住宅供給業者の信頼向上、トラブル防止、消費者保護が目的です。
住宅性能保証制度とは。
「住宅性能保証制度」とは、住宅の構造や性能について、住宅販売業者などが最長10年間保証する制度です。住宅供給業者の信頼性を高め、住宅供給体制を整備することを目的としています。また、住宅の瑕疵(欠陥)を巡るトラブルを防ぐ機能も備えており、消費者の保護の観点から普及が図られています。
この制度は、一戸建て住宅を対象に昭和55年度に創設されました。昭和57年、建設業者の申請に基づき、「(財)性能保証住宅登録機構」が審査を行い、合格した新築一戸建て住宅が登録されます。登録業者は、登録住宅の所有者に対して、構造上重要な部分(基礎、床、屋根など)については10年間、その他の部分については1~2年間の瑕疵保証を行います。保証期間内に瑕疵が発生した場合、登録業者は無償で補修を行います。また、補修に多額の費用が必要な場合は、保証保険によって保証金が支払われます。
住宅性能保証制度の目的と概要

-住宅性能保証制度の目的と概要-
住宅性能保証制度とは、住宅の購入者に対して、住宅の品質の確保と資産価値の維持を目的とした制度です。この制度は、住宅の瑕疵(かし)に対して補修費用を保証することで、購入者の安心感を高め、住宅市場の活性化を図っています。
この制度の対象となる住宅は、新築住宅や増改築住宅など、一定の要件を満たす住宅です。保証期間は、構造部分で10年間、雨漏り等その他の瑕疵部分で2年間と定められており、補償額は住宅の建築費の範囲内となっています。この制度を活用することで、住宅購入者は住宅の品質に安心して住むことができ、また、将来売却する際にも資産価値の維持に役立てることができます。
保証の対象と内容

住宅性能保証制度の保証の対象は、構造躯体の性能です。構造躯体とは、家の骨組み部分のこと。具体的には、基礎、柱、梁、壁、屋根などです。これらの部分に欠陥があり、住むのに支障がある場合に、保証の対象となります。
保証の内容は、住宅の特定の性能が一定期間保障されることです。保証期間は10年間が一般的です。この期間内に、対象となる性能に不具合が生じた場合は、保証会社が修繕費用を負担します。不具合が生じた場合は、保証会社に連絡し、調査と修繕を依頼します。
保証期間と保証対象外の事項

住宅性能保証制度では、保証期間が定められています。通常、10年間が主流ですが、5年、15年、20年と期間が異なるものもあります。この期間内に住宅の主要構造部分に瑕疵が発生した場合、保証の対象となります。ただし、保証の対象とならない事項もあります。例えば、経年劣化による損傷や、不適切な使用、災害などによる損害は対象外です。また、付帯設備や内装材など、主要構造部分以外の部位も保証の対象外となります。
制度を利用するメリットとデメリット

-住宅性能保証制度のメリットとデメリット-
住宅性能保証制度を利用すると、住宅の構造や躯体といった主要構造部分に瑕疵があった場合に、補修義務の履行や損害賠償金の支払いが保証されます。これにより、万一のトラブル発生時にも住宅の安全性と資産価値を確保できます。
一方で、制度利用にはデメリットもあります。まず、加入時に保証料を支払う必要があり、加入住宅によって金額が異なります。また、保証の対象となる瑕疵は制度によって限定されており、故意や不適切な使用によるものは対象外です。さらに、保証期間が満了すると保証が失効するため、長期的に住宅を維持したい場合は更新の手続きが必要になります。
住宅性能保証制度の今後の課題

住宅性能保証制度は、着実に普及していますが、今後さらなる改善が求められています。課題の1つは、保証期間の短さです。現在の制度では、主要構造部分の保証期間は10年ですが、住宅の寿命はそれより長いことが少なくありません。このため、住宅の耐用年数に応じた保証期間の延長が望まれます。
もう1つの課題は、保証適用範囲の限定です。現行制度では、構造上主要な部分のみが保証の対象となっています。しかし、住宅の品質や耐久性には、構造以外の要素も影響します。そのため、保証の対象範囲を拡大し、住宅の総合的な品質を担保する必要があります。
さらに、保証料の負担の問題も指摘されています。保証料は建築費用の数パーセント程度ですが、負担が大きいと感じる消費者もいます。保証料の軽減や、負担の公平化に向けた検討が求められます。
これらの課題を克服することで、住宅性能保証制度はより信頼性の高いものとなり、消費者の住宅に対する安心感を高めることが期待されています。