不動産業界の闇『土地転がし』の実態

不動産取引の初心者
先生、『土地転がし』という言葉の意味を教えてください。

不動産の研究家
『土地転がし』とは、地価上昇を狙った土地の売買を繰り返して利益を得る取引のことだよ。

不動産取引の初心者
では、その取引の流れはどのような感じですか?

不動産の研究家
まず、仮需要者が地価上昇が見込まれる土地を安く購入するんだ。その後、地価が上昇したら、転売して利益を得る。これを複数企業が繰り返すことで、土地の価格はどんどん上昇していくんだよ。
土地転がしとは。
「土地転がし」とは、地価が大幅に上昇している土地を、転売目的で仮の需要者が購入し、値上がりしたタイミングで売却して利益を得る取引を繰り返すことをいいます。
この取引が複数の企業の間で何度も繰り返され、最終的に実需者に渡るまで、地価を押し上げていくことから「転がし」と呼ばれています。
昭和40年代半ばの「狂乱地価時代」や、昭和61年から62年前半にかけての大都市の商業地高騰時には、この「土地転がし」が活発化し、転売のたびに地価が50~100%も上昇するというケースもありました。
転売が繰り返されて地価が高くなりすぎて買い手がつかなくなった状態を「ババつかみ」といいます。
土地転がしとは何か?

「土地転がしとは何か?」の下の段落
土地転がしとは、短い期間で土地を転売する行為で、利益を得ることが目的です。土地転がしでは、業者が土地を安く入手し、すぐに転売します。このプロセスを何度も繰り返すことで、短期間で大きな利益を得ることができます。土地転がしは、土地価格が高騰している時期や、開発計画が発表された地域でよく見られます。しかし、リスクも高く、期待した利益を得られない場合もあります。
土地転がしの仕組み

不動産業界の闇「土地転がし」の実態を探る。土地転がしとは、土地の転売を繰り返すことで利益を得る手法だ。
具体的には、デベロッパーが将来開発が見込まれる土地を購入する。その後、この土地を複数の小さな区画に分割し、仲介業者を介して転売する。仲介業者は、転売時に利益を上乗せして販売することで、収益を得る。
土地転がしの問題点

土地転がしには深刻な問題点があります。第一に、土地の価格が不当に高騰します。転売を繰り返すことで、本来の価値以上の価格に吊り上げられ、一般市民が土地を購入することが困難になります。
第二に、地域経済が混乱します。土地転がしによって投機的な取引が活発になると、本来土地に投資すべき資金が不動産市場に流入し、地域の産業振興やインフラ整備に必要な資金が不足する可能性があります。また、土地の価格変動が激しくなり、企業の立地や住民の生活の安定を脅かします。
第三に、環境破壊につながります。土地転がしは、土地の過剰な開発や転用を招くことがあり、農地や森林が失われるなど、自然環境に悪影響を及ぼします。また、開発に伴う建設廃材や汚染物質が環境を汚染する可能性もあります。
土地転がしの事例

土地転がしの事例とは、土地の仕入れや転売を繰り返して短期間で利益を得る行為のことです。例えば、開発業者などが安く土地を取得して造成し、分譲形式で販売することで利益を得ます。また、投資目的で土地を転がす人もおり、将来の値上がりを見込んで安く土地を購入し、高値で売却することで利益を得ます。土地の買い占めや囲い込みを行うことで、土地の価格操作が行われる場合もあり、市場の公正性に影響を及ぼすことがあります。このように、土地転がしは、不動産業界で利益を得る手段の一つとして行われていますが、一方で、市場の健全な発展を阻害する要因となる可能性もあります。
土地転がしを避ける方法

土地転がしを避ける方法
土地転がしに巻き込まれないためには、いくつかの対策があります。まず、不動産会社や土地情報を確認することが重要です。過去の取引実績や評判を調べ、信頼できる業者を選ぶことが不可欠です。また、土地の相場を十分に調査し、適正価格かどうかを判断しましょう。高すぎる価格設定には注意が必要です。
さらに、土地の状況を把握することも大切です。法令違反や環境問題がないかを確認し、必要に応じて調査を依頼しましょう。また、明確な契約書を作成し、内容を十分に確認することが不可欠です。口頭での約束に頼らず、書面での証拠を残すことで、トラブルを防ぐことができます。