耐震設計における靱性指向型設計とは
靱性指向型設計の概要
靱性指向型設計は、地震のような激しい荷重に対しても、建物が倒壊せずに粘り強く変形する能力を持たせることを目指した設計手法です。一般的な耐震設計では、地震の揺れに対する建物の強さに重点が置かれていますが、靱性指向型設計では、建物の変形能力、エネルギー吸収能力、損傷の局在化も重視されています。
この設計手法では、建物の特定の部分に震源域を設定し、地震のエネルギーをそこへ集中させます。これにより、他の部分の損傷を最小限に抑え、建物の全体的な崩壊を防ぎます。靱性指向型設計が採用されることで、地震発生時の建物の安全性と居住性が向上し、社会的・経済的損失を軽減することが期待されています。