私道の通行権とは何か?種類や権利について解説

不動産取引の初心者
先生、「私道の通行権」について教えてください。

不動産の研究家
通行権とは、私有の私道を他人が通行できる権利のことだよ。

不動産取引の初心者
私道所有者は勝手に通行を妨害できないんですね。

不動産の研究家
その通り。通行権には4つの種類があるんだ。囲繞地通行権、通行地役権、契約通行権、慣習上の通行権だね。
私道の通行権とは。
私道の権利といえば「通行権」があります。私道は、個人が造り、維持管理している道です。原則として、私道所有者は私道について廃止や変更を自由に決定できます。
ただし、私道に「通行権」を持つ人がいる場合は、私道所有者であってもその人の通行を妨げることはできません。民法で定められています。通行権には次の4種類があります。
1. 囲繞地通行権
2. 通行地役権
3. 契約通行権
4. 慣習上の通行権
私道の通行権とは

私道の通行権とは、所有者に関係なく、誰でも私有道路を通行する権利のことです。私道は個人の所有物ですが、公衆の利用が認められており、通行が許されています。この権利は、土地の所有権とは無関係に認められるため、土地の所有者であっても、通行権を制限することはできません。
私道の通行権の4種類

-私道の通行権の4種類-
私道には、通行権の種類が4つあります。
1. 共有通行権
私道の所有者全員が共有する権利で、通行の仕方や方法に制限はありません。
2. 地役権
特定の土地(上位地)が他の土地(下位地)を通行する権利です。上位地が下位地を使用する目的は契約で定められています。
3. 共用通行権
共有通行権と同様に、複数の土地所有者が私道を共有して通行できます。ただし、通行の仕方や方法に制限がある場合があります。
4. 法定通行権
公道に面していない土地が、周囲の私道を通行して公道に出る権利です。土地の所有者は、私道所有者に通行料を支払う必要があります。
囲繞地通行権

囲繞地通行権とは、囲繞地という、他人の土地に囲まれた土地にアクセスするために認められる通行権のことです。民法第210条に規定されており、囲繞地所有者は、囲繞地へ至る通常の通路がない場合、囲繞地所有者が必要に応じて他人の土地を通行する権利を有しています。
この権利は、囲繞地を所有する者が土地を利用するための合理的な必要性がある場合にのみ行使できます。また、通行に当たっては、他人の土地に不必要に損傷を与えないよう、可能な限り道路に沿って通行することが求められます。
通行地役権

私道に関する特有の権利の一つに「通行地役権」があります。これは、特定の土地を通行する権利を指し、土地所有者以外の者がその土地を通行することを認める権利です。通行地役権は、土地を購入したり相続したりした際に付与される場合や、契約によって新たに設定される場合などがあります。通行地役権を有していれば、その土地所有者に関係なく、自由に通行することができます。ただし、通行地役権の行使には一定の制限が設けられることがあり、例えば、通行できる時間帯や通行方法などが決められている場合があります。
契約通行権

契約通行権とは、私道の所有者との合意に基づく通行権です。所有者と通行を希望する者が契約を結び、通行の条件や対価などを定めます。例えば、隣接する土地の所有者が私道を通り抜けて自らの土地にアクセスする必要がある場合などに、契約通行権を設けることがあります。この通行権は、土地の所有権とは切り離されており、例えば通行権のみを第三者に譲渡することも可能です。契約通行権は、私道の所有者に通行を許諾する権利を与え、通行を希望する者には通行権を保障します。
慣習上の通行権

慣習上の通行権とは、長年地域で習慣的に利用されてきた私道に対する通行権のことです。この権利は、土地所有者の明示的な許可がなくとも、人々が私道を自由に往来してきたという事実から発生します。慣習上の通行権は、公に認められている法律上の権利ではありませんが、実際的な観点から重要な意味を持ちます。長年にわたり形成された慣習に基づくため、土地所有者も慣習上の通行権を尊重することが通例です。しかし、慣習上の通行権は、土地所有者が私道の使用を禁止したり、通行を制限したりする場合に消滅することがあります。