PSコンクリートとは?特徴とメリットを解説

不動産取引の初心者
PSコンクリートについて教えてください。

不動産の研究家
PSコンクリートとはプレストレストコンクリートのことだよ。コンクリートの弱点である「引張応力に弱い」という性質を補うために、あらかじめ圧縮応力を加えてあるんだ。

不動産取引の初心者
つまり、荷重による引張応力を相殺するということですか?

不動産の研究家
その通りだよ。だからPSコンクリートは、橋や高層ビルなど、大きな荷重がかかる構造物に適しているんだ。
PSコンクリートとは
不動産業界で用いられる用語に「PSコンクリート」があります。PSコンクリートとはプレストレストコンクリートの略称で、コンクリートがもつ「引張力に弱い」という弱点を補強するために開発されました。コンクリートにあらかじめ圧縮応力をかけておくことで、荷重による引張応力を相殺する仕組みを採用しています。このコンクリートは、PCコンクリート(プレキャストコンクリート)、鋼弦コンクリート、予応力コンクリートなどの名称でも呼ばれています。
PSコンクリートとは何か

PSコンクリートとは、ポリマーセメントコンクリートの略で、セメントと骨材に加えて、ポリマー分散液が添加されたコンクリートです。ポリマー分散液は、従来のコンクリートにはない高い柔軟性、靭性、耐摩耗性を付与します。ポリマーの添加により、コンクリートの微細構造が緻密になり、ひび割れや劣化に対する抵抗力が向上します。構造物の補修や補強、床や道路など耐摩耗性が求められる用途に広く用いられています。
PSコンクリートの特徴とメリット

PSコンクリートの最も注目すべき特徴は、少ないセメント使用量で高い強度が得られることです。これにより、従来のコンクリートに比べて経済的かつ環境にやさしい選択肢となります。また、耐火性、耐凍害性、耐酸性、耐摩耗性に優れています。
PSコンクリートのもう一つの重要なメリットは、高い流動性です。この流動性により、複雑な形をした構造物でも簡単に成形することが可能で、施工性が向上します。さらに、PSコンクリートは軽量であるため、建物の重量を軽減し、耐震性を向上させることができます。また、発泡スチロールが混ざっているため、断熱性にも優れています。
PCコンクリートとPSコンクリートの違い

PCコンクリートとPSコンクリートは、どちらもプレストレスコンクリートの一種ですが、使用される鉄筋に違いがあります。PCコンクリートはプレテンションドコンクリート、PSコンクリートはポストテンションドコンクリートと呼ばれます。PCコンクリートでは、鉄筋をコンクリート打設前に引っ張り定着させますが、PSコンクリートでは、コンクリート打設後に鉄筋を引っ張り定着させます。この違いにより、PSコンクリートはPCコンクリートよりも高いプレストレス力が得られます。
PSコンクリートの用途と建設事例

PSコンクリートは、その優れた耐火性や軽量性から、さまざまな用途で活用されています。オフィスビルやマンション、病院など、大規模建造物の構造躯体に採用されることが多いです。また、トンネルや橋などのインフラ設備、さらに外壁や床などにも使用されています。
建設事例としては、東京スカイツリーや東京駅丸の内駅舎などが有名です。東京スカイツリーは、PSコンクリートが採用されたことで、軽量で耐震性に優れた構造を実現しています。また、東京駅丸の内駅舎のレンガ造りの外壁にPSコンクリートのプレキャストパネルが使われており、レトロな雰囲気を保ちながら、耐震性を強化しています。
PSコンクリートの今後の展望

PSコンクリートは、その優れた特徴により、建設業界でますます注目を集めています。今後の展望としては、さらに幅広い用途への適用が期待されています。例えば、高層建築や大規模インフラプロジェクトにおけるプレキャスト部材としての利用が考えられます。また、より耐震性に優れた構造物を構築するための補強材としての活用も期待されています。
さらに、環境意識の高まりに伴い、PSコンクリートの省エネ・省資源化への貢献も注目されています。軽量性と断熱性の高さにより、建物のエネルギー効率を向上させることが可能です。また、リサイクル性を高めたPSコンクリートの開発も進められており、持続可能な建設の実現に貢献すると期待されています。