不動産用語『相殺』を分かりやすく解説

不動産取引の初心者
『相殺』について、詳しく教えてください。

不動産の研究家
両当事者が金銭債権を持っていて、それらを弁済期にある場合、一方の意思表示によって両債権を消滅させることを『相殺』といいます。

不動産取引の初心者
なるほど。自動債権と受動債権はどういうものですか?

不動産の研究家
相殺する側の債権を自動債権、相手方の債権を受動債権といいます。両債権が同種で弁済期にある必要があります。
相殺とは。
不動産用語の「相殺」とは、債権者である甲と乙がそれぞれ相手方に対して債権を持っていて、甲が100万円、乙が80万円の債権を持つ場合を想定します。このとき、甲または乙が相手方に対して一方的に意思表示をすることで、両債権が80万円の範囲内で相殺され、双方の債務が消滅することを指します(民法505条1項)。
相殺において、意思表示を行う側の債権を「自動債権」、相手方の債権を受動債権と呼びます。相殺には、以下の条件が必要です。
* 自動債権と受動債権が同じ種類(通常は金銭債権)であること
* 両方の債権が弁済期を迎えていること(ただし、受動債権については期限の利益を放棄できます)
また、相殺を禁止する特約がある場合は相殺はできません。さらに、第三者である債務者が、支払停止命令を受けた後に取得した債権を自動債権として、差押を受けた受動債権との相殺を試みたとしても、差押債権者に対してその効力は発生しません(民法511条)。
相殺の意思表示がされると、債権は相殺が認められる時点に遡って消滅します(民法506条2項)。
相殺とは?

相殺とは?不動産業界において、「相殺」とは、主に2つの意味で使用されます。1つ目は、異なる債権と債務を打ち消すことです。例えば、購入者は不動産の購入に対して売主に1,000万円の債務を負い、売主は購入者に対してリフォーム費用として500万円の債務を負っているとします。この場合、相殺により購入者の売主に対する債務は500万円に減額されます。2つ目には、競売で落札した不動産の代金と、落札者が被っている住宅ローンなどの債権を相殺することです。これにより、落札者は現金ではなく債権で不動産の代金を支払うことができます。
相殺の種類

-相殺の種類-
不動産取引において、「相殺」とは、債権と債務を互いに相殺して消滅させることを指します。相殺には、大きく分けて次の2種類があります。
* -法的相殺- 法律によって認められた相殺で、自動的に相殺が成立します。例えば、売買代金と売主に対する借入金の相殺などです。
* -約定相殺- 当事者間の合意によって成立する相殺で、書面などで合意する必要があります。例えば、仲介手数料と売却代金の相殺などです。
相殺の要件

相殺の要件
相殺を行うには、2 つの債権が以下の要件を満たす必要があります。
* -同一当事者間での債権- 債権者と債務者が同一の当事者である必要があります。
* -同一の給付内容- 2 つの債権は、同一の給付内容(金銭または他の特定の財物)である必要があります。
* -現在債権- 両方の債権が現在効力を持つ必要があります。つまり、期限が到来しているか、期限が未到来であっても強制執行可能である必要があります。
* -適時に主張- 相殺の主張は、相手側が債権を請求する前に適時に行う必要があります。
相殺禁止の特約

-相殺禁止の特約-
相殺禁止の特約とは、売買契約において、買主が将来、売主に金銭を支払う義務を負っているとき、売主が買主に対して持っている債権でその支払義務と相殺することを禁止する特約のことです。 例えば、売主が買主に対して賃料債権を持っている場合、相殺禁止の特約がないと、買主は賃料債権と売買代金債務を相殺して支払いを免れることができます。
しかし、相殺禁止の特約があると、買主は賃料債権と売買代金債務を相殺することはできず、売主は確実に売買代金を受け取ることができます。 これは、売主にとって債権保全の手段として有効な特約です。
ただし、相殺禁止の特約は買主の権利を制限するため、裁判所によっては無効とされる場合もあります。そのため、相殺禁止の特約を設ける際には、専門家に相談することが重要です。
相殺の効果

-相殺の効果-
相殺とは、債務同士を差し引き、残額を支払うことを指します。不動産業界においては、主に売買代金の相殺に用いられます。たとえば、売主が买手に追加の費用やサービスを提供する場合、その分を売買代金から相殺することができます。
相殺の主な効果としては、以下の点が挙げられます。
* -支払額の軽減- 相殺によって、买主は当初の売買代金よりも少ない金額を支払うことができます。
* -手続きの簡素化- 相殺により、複数の支払い手続きを一本化できます。
* -公平性の確保- 相殺は、売主と买手の双方に公平な取引を確保する手段となります。