保有遮炎時間とは?建築基準法で定められた耐火性能

不動産取引の初心者
保有遮炎時間ってなんですか?

不動産の研究家
火災時に遮炎が継続できる時間のことですね。

不動産取引の初心者
それが建築基準法施行令でどのように定められているんですか?

不動産の研究家
室ごとに予測される火災の継続時間と、開口部の防火設備が耐える時間(保有遮炎時間)を求めて、それが継続時間以上であることを確認します。
保有遮炎時間とは。
建築分野における「保有遮炎時間」とは、火災発生時に遮炎機能が保持される時間を指します。
建築基準法施行令では、火災時の遮炎性能の評価方法が定められています。具体的には、各部屋で発生する火災の予想継続時間と、その部屋の壁や床の開口部に設置された防火設備が火災に耐えられる時間(保有遮炎時間)を算出し、保有遮炎時間が火災の予想継続時間以上であることを確認します。
火災の予想継続時間は、耐火性能評価法と同様の方法で算出します。一方、保有遮炎時間は、防火設備の構造や火災による予想される温度変化に応じて、国土交通省が定める方法で算出します。
保有遮炎時間とは

保有遮炎時間とは、建築基準法で定められた耐火性能の指標の1つです。火災が発生した場合、構造体がその機能を保持する時間を指します。具体的には、火災の熱と炎から構造体を遮断し、延焼を抑制する時間のことです。保有遮炎時間を長く設定することで、火災における構造体の耐火性を高め、建物の安全性を確保することができます。
建築基準法の『防火区画検証法』

建築基準法の『防火区画検証法』は、建物の耐火性能を検証するための手法を定めたものです。この手法では、火災時に火炎の侵入や延焼を防ぐための防火区画(壁や床など)が、一定時間耐火性能を維持できることを検証します。検証は、実験や計算によって行われ、防火区画が所定の『保有遮炎時間』を有していることを確認する必要があります。この保有遮炎時間は、建物の用途や構造などに応じて決められています。検証を通過することで、防火区画が火災時に適切に機能し、建物の火災拡大を防ぐことができることが保証されます。
火災の継続時間と保有遮炎時間

火災の継続時間と保有遮炎時間
火災の発生時には、さまざまな要素によって火炎の広がりが異なります。これらには、燃焼可能な材料の量、火災の発生場所、空気の流れなどが含まれます。火災が構造物に広がることを防ぐためには、延焼時間を制限することが不可欠です。このため、建築基準法では「保有遮炎時間」という耐火性能が定められています。これは、火炎が構造物の耐火部(耐火被覆された鉄骨やコンクリートなど)を貫通するまでに維持される時間のことで、通常分単位で表されます。
保有遮炎時間の算出方法

保有遮炎時間とは、火災が発生した際に、建築物が同じ火災の条件下で耐火構造として規定された時間、表面に燃え広がったり、貫通したりすることなく、遮炎性を保持する性能のことです。建築基準法では、特定の建築物に対して必要な保有遮炎時間が定められています。
保有遮炎時間の算出方法は、建築物の用途や構造、周囲環境などの要因を考慮して行われます。具体的には、材料試験や計算式を用いて、壁面や柱の耐火性能が確認されます。耐火構造と認定されるためには、所定の保有遮炎時間が確保されている必要があります。
耐火性能検証との関係

保有遮炎時間は建築基準法で定められている耐火性能を検証するための重要な指標です。耐火性能検証では、建物の構造部が火災時に一定時間以上耐えられることを確認する必要があります。保有遮炎時間は、建物の各階層に設置された開口部(窓やドアなど)が、火災時にどれだけの時間、燃え広がりや煙の侵入を防ぐことができるかを示しています。保有遮炎時間を確保することで、建物内にいる人々が避難したり、消防隊が消火活動を行ったりするための安全な時間を確保できます。