地耐力試験とは何か?目的と方法を解説

不動産取引の初心者
先生、『地耐力試験』って何ですか?

不動産の研究家
地耐力試験とは、地盤の支持力と沈下に対する抵抗力を調べる調査のことだよ。

不動産取引の初心者
支持力と沈下に対する抵抗力ってどういうことですか?

不動産の研究家
支持力は地盤がどれくらいの荷重に耐えられるか、沈下に対する抵抗力はどれくらい沈みにくいかを表す指標だよ。
地耐力試験とは。
「地耐力試験」とは、地盤がどれくらいの荷重や沈みに耐えられるかを調べる試験です。地耐力とは、「支持力(荷重に耐えられる程度)」と「抵抗力(沈みにくい程度)」の組み合わせで表されます。
地耐力試験では、支持力を測る方法として、住宅などの建物の基礎の底面の位置に載荷板を設置して荷重を加え、各荷重ごとの沈下量を測定する平板載荷試験や、スウェーデン式サウンディング試験、標準貫入試験(ボーリング調査)などの方法があります。また、沈下を調べる方法には圧密試験などがあります。
実際の設計では、基礎の根切り深さ、形状、大きさ、地下水位などの要素を考慮して行います。なお、建築基準法では、建物を建築する際には、地耐力に応じた基礎構造を採用することが義務づけられています。
地耐力試験の目的

地耐力試験の目的
地耐力試験は、建物を建設する土地の土質や地盤の強度を調査するために実施されます。これにより、建物の荷重を適切に支え、安全性を確保できるかどうかを評価します。地耐力試験の目的は具体的には、以下のとおりです。
* 支持層の確認建物の基礎を支えることができる地盤の層を特定します。
* 地盤の強度の評価建物の荷重に耐えられる地盤の強さを測定します。
* 地盤の変形量の予測建物の荷重がかかったときの地盤の沈下や変形量を予測します。
* 地盤改良方法の検討必要な場合は、地盤の強度を向上させるための改良方法を検討します。
地耐力試験の種類

地耐力試験の種類
地耐力試験には、その目的と対象とする地盤に応じて、さまざまな種類があります。代表的なものを以下に紹介します。
* -静的貫入試験(SPT)-標準貫入試験とも呼ばれ、最も一般的な地耐力試験です。ハンマーで鉄棒を地盤に打ち込み、貫入に必要な打撃回数を測定します。
* -動的貫入試験(DPT)-ハンマーではなく、油圧装置を使用して錘を落とすことで地盤の貫入抵抗を測定します。静的貫入試験よりも高速で、広範囲の調査に適しています。
* -静的コーン貫入試験(CPT)-コーンチップ付きのプローブを地盤に押し込み、貫入抵抗と先端支持力を測定します。地盤の層状構造やせん断強度を詳細に把握できます。
* -ボーリング調査-地盤を掘削して採取したサンプルの土質試験やボーリング孔壁の強度試験を行います。地盤の層状構造や地下水の位置などを確認できます。
* -載荷試験-地盤に荷重をかけて変位を測定し、地盤の耐荷力を直接測定します。大規模構造物の建設時に重要な試験です。
平板載荷試験

-平板載荷試験-
平板載荷試験は、地盤の耐力特性を評価する一般的な試験方法の1つです。この試験では、正方形または円形の平板を地盤に押し付け、その圧力と沈下の関係を測定します。
平板載荷試験を行う目的は、地盤の圧縮変形特性、せん断強度、弾性係数を推定することです。これらの情報は、建物の基礎設計や地盤改良計画立案に役立てられます。
スウェーデン式サウンディング試験

スウェーデン式サウンディング試験は、地耐力試験の一種で、地盤の硬さを測定するために実施されます。この試験では、コーンと呼ばれる円錐形の棒をハンマーで地盤に貫入させていき、その貫入抵抗を測定します。貫入抵抗は、地盤の硬さと関係しており、この測定値から地盤の支持力や沈下量を推定することができます。
標準貫入試験(ボーリング調査)

標準貫入試験(ボーリング調査とも呼ばれます)は、地盤の支持力特性を評価するための一般的な地耐力試験です。この試験では、先端にサンプル採取用のサンプラーを備えた鋼管を地盤に貫入し、決められた回数ハンマーで打撃を与えることで、貫入抵抗を測定します。貫入抵抗は、地盤の硬さや密度の指標となり、地盤の支持力を推定することができます。
標準貫入試験は、比較的低コストで実施でき、現場調査として広く用いられています。また、取得したサンプルは土質分類や土質試験に使用することで、より詳細な地盤特性を把握することができます。