鳥眼杢：木目に現れる小さな円形斑点

鳥眼杢：木目に現れる小さな円形斑点

鳥眼杢とは

鳥眼杢は、木材の表面に現れる小さな円形の斑点のことです。その名の通り、鳥の目に似た模様をしていることから名付けられました。この模様は、主に落葉樹の縦に切り出した木材に見られます。特に、オーク、ウォールナット、メープルなどの堅い樹種に多く見られます。

鳥眼杢の成因

-鳥眼杢の成因-

鳥眼杢の独特な円形斑点は、傷んだ細胞から分泌された樹脂成分が固まってできるものです。木材が損傷したり、菌糸感染したりすると、樹木は防御反応として樹脂を生成します。この樹脂は細胞壁の穴を埋めて固まり、光が乱反射して円形の模様を生み出すのです。

さらに、木材内部の細胞の成長方向が乱れることで、円形の斑点が連なる特有の模様になります。この乱れは、樹木が外傷や成長障害に見舞われたときに起こります。鳥眼杢は、主にイチョウやクルミなどの広葉樹で見られますが、まれに針葉樹でも見られることがあります。

バーズアイメープル

バーズアイメープルは、鳥眼杢と呼ばれる木目に現れる小さな円形斑点が特徴の希少な木材です。この独特な斑点は、鳥の目のような形をしており、板目材に現れます。バーズアイメープルは主に北米東部に生育するニホンカエデの一種から伐採され、その硬度と耐久性で知られています。

バーズアイ杢の形成には、木材内の収縮やひずみが深く関わっています。木材が成長する過程で、幹内の応力が集中し、細胞内の水分が均等に分布しなくなります。この不均一な水分分布により、収縮率に差が生じ、表面に小さな円形の窪みが形成されます。

鳥眼杢の特徴

–鳥眼杢の特徴–

鳥眼杢は、木目に現れる小さな円形斑点で、その名の通り、鳥の目に似ています。この斑点は、放射状に成長する木材の辺材の管の中心から形成されます。これらの管は、樹木が水分や栄養素を運ぶために使用するもので、時間の経過とともに詰まったり、塞がったりすることで、木目に特徴的な斑点模様を生み出します。鳥眼杢は通常、タモ、オーク、カエデなどの広葉樹に見られ、楽器、家具、工芸品などの用途に使用されます。

鳥眼杢の利用

鳥眼杢の利用

この独特な木目は、その美観と耐久性から、高級家具や工芸品、楽器、美術品など、さまざまな用途に利用されています。特に、家具では、机や椅子、棚などの装飾的なアクセントとして用いられ、高級感と優雅さを演出します。また、野球のバットやギターのネックなど、強度と美しさを兼ね備えた製品の作成にも適しています。さらに、漆器や陶磁器などの工芸品でも、鳥眼杢の模様が独特の趣きを醸し出します。