ボールベアリング式転がり支承とは?

不動産取引の初心者
ボールベアリング式転がり支承ってなんですか?

不動産の研究家
ボールベアリング式転がり支承は、地震の揺れを建物に伝えないための免震装置です。ボールベアリングで建物の荷重を支えて、地震時にボールベアリングがレールを転がって建物の移動を可能にします。

不動産取引の初心者
免震装置にはアイソレータとダンパーがあると聞きましたが、ボールベアリング式転がり支承はアイソレータなんですか?

不動産の研究家
その通りです。ボールベアリング式転がり支承はアイソレータの一種で、積層ゴムやすべり支承などの種類があります。
ボールベアリング式転がり支承とは
「ボールベアリング式免震装置」と呼ばれる不動産用語は、建物を地震から守る免震装置の一種です。
この装置は、ボールベアリング(回転軸と金属球の間に摩擦を軽減する軸受)で建物の重さを支えています。地震時はボールベアリングがレール上を転がり、地震の揺れを建物にできるだけ伝えない仕組みになっています。また、レールを十字やキの字、井の字型に配置することで、あらゆる方向への移動が可能になっています。
免震装置には、建物を支えて地震時にゆっくり移動させる「アイソレータ」がありますが、アイソレータだけでは揺れを完全に防ぐことはできません。そのため、揺れを抑える「ダンパー」が使用されています。ボールベアリング式免震装置はアイソレータの一種で、その他には積層ゴムやすべり支承などがあります。
ボールベアリング式転がり支承の仕組み

ボールベアリング式転がり支承とは、ボールによる転がりを利用して荷重を支える仕組みです。その仕組みは、内輪、外輪、および内輪と外輪の間に挟まれたボールで構成されています。内輪は回転軸に固定され、外輪は軸受のハウジングに固定されています。ボールが内輪と外輪の間で回転することで、荷重がほとんど摩擦のない転がり運動に変換されます。
免震装置としての利点

ボールベアリング式転がり支承は、免震装置としても優れた特性を備えています。この支承は建物と地盤の間に設置され、地震などによる揺れから建物を保護する役割を果たします。その仕組みは、ボールベアリングが互いに転がることで、建物に加わる地震動を低減するものです。これにより、建物の変形や損傷を最小限に抑えることができます。
構造上の特徴

構造上の特徴として、ボールベアリング式転がり支承は、以下のような特徴を有しています。まず、ボールとレースウェイの接触が点接触であるため、荷重が均等に分散され、高い耐荷重性を実現しています。また、ボールが内輪と外輪の間を転がる仕組みのため、摩擦抵抗が小さく、スムーズな回転が可能です。さらに、グリースが充填されているため、潤滑不良による摩耗を防ぎ、長寿命化が図られています。
他の免震装置との比較

ボールベアリング式転がり支承は、他の免震装置と比較すると、いくつかの特徴があります。まず、耐震性に優れています。ボールベアリングが多数組み込まれているため、強い地震にも耐えることができます。また、耐用性にも優れ、メンテナンスがほとんど必要ありません。
さらに、ボールベアリング式転がり支承は、摩擦抵抗が小さいという特徴があります。そのため、建物が揺れたときに発生する摩擦によるエネルギーロスが少なく、建物への影響を最小限に抑えることができます。また、小型軽量であるため、建築設計への影響が少なく、さまざまな建物に適用できます。
ボールベアリング式転がり支承の導入事例

ボールベアリング式転がり支承は、産業分野において幅広く導入されています。以下にその具体的な事例をご紹介します。
製造業
工作機械や産業ロボットなどの高精度装置では、低摩擦で高負荷に耐えるボールベアリングが採用されています。これにより、マシンの効率と寿命が向上します。
輸送機器
自動車や鉄道車両の車輪ベアリングには、高速回転や重負荷に耐えられるボールベアリングが使用されています。安全で快適な移動を支えています。
航空宇宙
航空機やロケットのエンジン部品には、極限環境でも優れた性能を発揮する特殊なボールベアリングが不可欠です。安全なフライトと宇宙探査を可能にしています。
医療
医療機器や義肢には、生体適合性と耐腐食性に優れたボールベアリングが採用されています。患者の快適さと安全性向上に貢献しています。
これらの事例以外にも、ボールベアリング式転がり支承は、軸受け、プーリ、ローラーなど、さまざまな用途に活用されています。その高い性能と信頼性により、産業や日常生活を支える重要な役割を果たしています。