『錆』とは?不動産の安全性を左右する厄介な敵!

不動産取引の初心者
『錆』という用語の意味を教えてください。

不動産の研究家
錆とは、金属が酸化して生じる物質のことです。建築分野では、鉄の腐食を指します。

不動産取引の初心者
鉄が錆びるとどんな影響がありますか?

不動産の研究家
鉄骨造の建物では、鉄骨の板厚が薄くなり、構造上の安全性に問題が生じます。鉄筋コンクリート造の建物では、鉄筋が錆びて膨張し、ひび割れが発生します。
錆とは。
「-サビ-」とは、金属が酸化や水酸化によってできる物質の総称です。建築では、とりわけ鉄に発生するサビが重要となります。
鉄は元来不安定な元素で、放置されると水や空気中の水分によって酸化されて、元の安定した鉄鉱石(酸化鉄と水酸化鉄の混合物)に戻ろうとする性質があります。鉄骨造の建物では、サビが発生すると鉄骨の厚みが薄くなり、構造的安全性に問題が生じます。これを防ぐには、塗装や亜鉛メッキを施すか、鉄骨を水分や湿気に触れないようにすることが必要です。
一方、鉄筋コンクリート造の建物では、コンクリートの中性化やコンクリート内の塩分により鉄筋がサビて膨張し、柱、梁、壁、床スラブ、屋根スラブにひび割れが発生します。これを防ぐには、鉄筋に対するコンクリートの被り厚さを保つことや、コンクリートの砂に含まれる塩分を抑える対策が必要です。
錆の定義

「錆」とは、金属が空気中の酸素や水分と反応して発生する劣化現象のことを指します。鉄や鋼などの鉄系金属では特に発生しやすく、腐食や強度低下の原因となります。放置しておくと金属の耐久性を低下させ、安全性を脅かす可能性があります。そのため、不動産の築年数や立地条件を確認する際には、錆の有無や程度を把握することが重要になります。
鉄骨造建物における錆の影響

鉄骨造建物における錆は、構造的な安全性を大きく損なう厄介な敵です。鉄骨が水分にさらされると酸化反応が起こり、徐々に腐食が進みます。錆は鉄骨の強度と靭性を低下させ、最悪の場合には倒壊につながる可能性があります。特に、屋外の構造物や湿気の多い環境では、錆の影響が顕著に現れます。
鉄筋コンクリート造建物における錆の影響

-鉄筋コンクリート造建物における錆の影響-
鉄筋コンクリート造の建物では、鉄筋が錆びることでコンクリートの安全性が低下します。鉄筋はコンクリート内部で建物の強度を維持する重要な役割を担っていますが、錆びによって脆弱化すると、コンクリートのひび割れや剥離につながります。そのため、鉄筋の錆びは建物の耐久性や耐震性にも悪影響を及ぼすのです。
錆の防止策(鉄骨造建物)

鉄骨造の建物における錆の防止策として、いくつかの基本的な対策が講じられます。まずは、鉄骨表面を亜鉛やアルミなどの金属で覆うことで、空気や湿気による腐食を防止する「亜鉛メッキ」や「アルミニウムメッキ」が施されます。また、鉄骨に「溶融亜鉛メッキ」を施すことで、より厚く耐久性の高い亜鉛コーティングを形成できます。さらに、「塗装」や「エポキシ樹脂コーティング」などの表面保護膜を作ることも、錆の発生を抑える効果があります。これらに加えて、定期的なメンテナンスや検査を行い、初期段階での錆の発見と対策を講じることで、鉄骨造建物の耐久性を維持することが不可欠です。
錆の防止策(鉄筋コンクリート造建物)

鉄筋コンクリート造建物における錆の防止策では、この厄介な敵から建物を守るための重要な対策をご紹介します。まず、コンクリートのひび割れや欠損を防ぐことが肝心です。ひび割れや欠損が生じると、空気中の水分や酸素が鉄筋に侵入して錆を発生させてしまいます。そのため、十分な厚みのコンクリート被り厚を確保し、ひび割れ対策を徹底することが不可欠です。また、鉄筋の表面をコーティングする塗装やライニング材の使用も錆を防ぐ有効な手段です。さらに、コンクリート中に防錆剤を添加することで、鉄筋を腐食から守る効果が期待できます。これらの対策を総合的に講じることで、鉄筋コンクリート造建物の安全性を長期にわたって維持することが可能となります。