耐火建築物って、そもそも何?~耐火性能検証法を解説~

不動産取引の初心者
『耐火性能検証法』って、どういうものですか?

不動産の研究家
耐火性能検証法とはね、耐火構造でない建物でも、一定の基準を満たせば「耐火建築物」と認められるための方法なんだ。

不動産取引の初心者
耐火建築物って、どういう条件があるんですか?

不動産の研究家
主要構造部が火災で燃え尽きるまで耐えられること、外壁が周囲の火災の熱に耐えられること、延焼のおそれのある開口部に防火設備があることなどが条件だよ。
耐火性能検証法とは。
「耐火性能検証法」と呼ばれる不動産用語があります。この検証法は、建物の主要構造体が耐火構造ではない場合でも、一定の技術基準を満たしていれば「耐火建築物」として認められることを可能にします。
「耐火性能検証法」は、そのような建築物が技術基準を満たしているかどうかを確認するための手法です。
■耐火建築物の条件(耐火構造以外の場合)
1. 主要構造体について、用途や設備に合わせて、屋内で発生する火炎に、火災が消火されるまで耐えられること
2. 外壁は、周囲で発生する一般的な火災の熱に、火災が消火されるまで耐えられること
3. 外壁の延焼しやすい開口部には、一定の遮熱性能を持つ防火戸などの防火設備を設置すること
耐火建築物の定義

-耐火建築物の定義-
耐火建築物とは、火災時に一定時間、構造の安定性を保ち、延焼を防止できる建物のことです。建築基準法では、耐火建築物は耐火構造、準耐火構造、その他の不燃構造のうち、外壁、屋根、開口部等が防火上必要な一定の性能を有する建物と定義されています。耐火構造は、耐火性能が最も高く、準耐火構造は耐火構造に次いで耐火性能が高い建物です。一方、その他の不燃構造は耐火性能が比較的低い建物ですが、耐火建築物に分類されます。
耐火建築物の条件

耐火建築物の条件
耐火建築物には、特定の条件を満たすことが求められます。その条件とは、火災発生時に建物の構造が一定時間以上維持され、火炎や熱が他の部分に波及しないようにすることです。具体的な条件としては、次のようなものがあります。
* -耐火構造(構造部材の防火性)- 壁、柱、梁などの構造部材が一定時間以上火災に耐える必要があります。
* -準耐火構造(設備や区画の防火性)- 耐火構造より基準は緩くなりますが、避難経路や防火設備の安全性が確保されている必要があります。
* -防火区画(火炎の蔓延防止)- 火炎が他の部分に伝播するのを防ぐために、建物を防火区間で区切る必要があります。
* -防火設備(消火や避難の補助)- スプリンクラーや火災報知器などの防火設備を設置して、火災の早期発見や消火を助けます。
耐火性能検証法とは

「耐火性能検証法」とは、建築物が耐火性能を満たしているかどうかを、数値的に評価するための方法です。この手法では、まず火災が発生した際の建物の温度上昇パターンをシミュレートします。その後、このパターンの結果に基づいて、建物の構成部材が耐火基準を満たしているかどうかを判定します。耐火性能検証法は、建築物の設計段階から使用され、建物の耐火性が適切に確保されていることを保証するために重要な役割を果たします。
検証方法

検証方法 耐火建築物の耐火性能を検証するには、国で定められた方法を実施します。検証の方法は、主に試験体を使用する「試験方法」と、実物大で建設する「実大試験」の2種類があります。
試験方法は、炉内で試験体を加熱し、耐火性能を評価します。試験体は、建材や構造の縮小模型で、実際の建物の耐火性能を再現します。一方、実大試験は、実際の建物や構造物を建設し、火災を発生させて耐火性能を評価します。これは、より実物に近い条件で検証できるため、信頼性が高いとされています。
耐火性能検証法のメリット

耐火性能検証法のメリットは、設計者や建築主にもたらします。まず、従来の実大耐火試験に比べて、費用と時間を大幅に削減できます。また、検証法では、設計変更の検討も容易で、より安全で効率的な建造物の設計につながります。さらに、検証法を利用することで、特殊な材料や構造を使用したり、構造を最適化したりして、設計の自由度を高めることができます。これにより、より独創的で革新的な建築物が実現できるのです。