竿縁天井とは?仕組み・特徴・メリットを解説

不動産取引の初心者
『竿縁天井』について教えてください。

不動産の研究家
竿縁天井とは、和室の天井によく使われるもので、細長い木(竿縁)を等間隔に取り付けて、その上に天井板を張って仕上げたものです。

不動産取引の初心者
竿縁には化粧材としての役割もあるんですか?

不動産の研究家
そうです。竿縁は木の風合いを生かした装飾的な要素としても使われています。
竿縁天井とは。
和室の天井でよく見られる「竿縁天井」とは、吊り木と野縁の下に、等間隔で平行に細い木材(竿縁)を取り付けた天井のことです。竿縁は、30cmから60cm幅のもので、化粧材としての役割も果たしています。この竿縁の上に天井板を張って仕上げたのが竿縁天井です。主に一戸建て住宅の和室で使用されています。
竿縁天井の仕組みを解説

竿縁天井の仕組みとは、天井板を薄く削った細い木材(縁甲板)で支える構造です。縁甲板は一定の間隔で平行に配置され、天井板の両端を支えています。この縁甲板はさらに、天井枠や梁と呼ばれるより太い木材で支えられています。つまり、竿縁天井は、縁甲板と天井枠・梁からなる層構造になっています。縁甲板は、天井板を水平に保つ役割を果たすだけでなく、天井枠や梁に荷重を分散させる役割も担っています。
竿縁天井の特徴

竿縁天井の特徴は、その構造と外観に由来しています。竹や木製の細長い竿を並べて組んだ独特の骨組みが、天井に伝統的で趣のある雰囲気を与えます。この竿は、通気性と調湿性を向上させるために、一定の間隔で配置されています。また、空間の広がりを感じさせ、開放的な印象を与えます。竿縁天井は軽量で耐震性にも優れているため、地震の多い日本においても適した建築様式となっています。
竿縁天井のメリット

-竿縁天井のメリット-
竿縁天井は、さまざまなメリットを備えた天井の形式です。まず第一に、耐震性に優れています。天井の重量が軽く、揺れに対して柔軟性があるため、地震時に損傷を受けにくいのです。また、通気性に優れており、湿気を逃がすことで室内の空気環境を改善します。さらに、デザイン性の高さも魅力的。木や竹などの天然素材を使用することで、和モダンやナチュラルな雰囲気を演出できます。加えて、コストパフォーマンスが良いのもメリット。軽量で施工が容易なため、費用を抑えることができます。
竿縁天井が向いている部屋

竿縁天井が適している部屋は、以下の特徴があります。
天井の高さが低い部屋。竿縁天井は水平の細長い部材を並べて作るため、視覚的に天井の高さを高く見せます。
古民家調や和風のテイストの部屋。竿縁天井は伝統的な日本の建築様式に由来するため、古民家や和室の雰囲気に合います。
梁や配管などの構造物を隠したい部屋。竿縁天井は構造物を部材の間で目立たなく隠すことができます。
吹き抜けや勾配天井がある部屋。水平の部材が高さや傾斜の変化を強調し、立体感を与えます。
竿縁天井施工の注意点

竿縁天井施工の注意点
竿縁天井を施工する際には、いくつかの注意点があります。まず、梁と梁の間隔が適切であることを確認することが重要です。間隔が大きすぎると垂れ下がりやひび割れの原因となり、小さすぎると天井の強度が低下する可能性があります。また、使用する木材の種類も重要です。耐久性と耐火性に優れた木材を使用することで、長持ちする頑丈な天井を確保できます。さらに、施工時には十分に換気をすることで、塗料や接着剤が正しく乾燥し、不快な臭いの発生を防ぐことができます。