コンパクトシティとは?都市機能の集約で利便性向上

不動産取引の初心者
コンパクトシティってなんですか?

不動産の研究家
コンパクトシティとは、生活に必要な機能が集中している都市のことだよ。

不動産取引の初心者
どういう機能ですか?

不動産の研究家
医療施設、商業施設、住宅などが集まっていて、生活が便利になるように計画された都市だよ。
コンパクトシティとは。
「コンパクトシティ」とは、医療・福祉施設、商業施設、公共施設などの都市機能と居住機能を特定の地域に集中させることを目指した都市計画のこと。生活の利便性を高め、行政サービスを効率化することが目的です。
日本では、都市中心部と「コンパクトな街(医療・福祉施設、商業施設、住宅などが徒歩圏内にまとまる地域拠点)」を公共交通機関で結ぶ「コンパクト+ネットワーク」の構築が国土計画の重要な基本方針とされています(国土のグランドデザイン2050)。
この方針を促進するために、2014年に「立地適正化計画制度(市町村が都市機能や居住機能を効果的に誘導できる制度)」や「地域公共交通網形成計画」が設けられました。これにより、都市計画と公共交通の再編を連携させたまちづくりが推進されています。
コンパクトシティのメリット

都市機能の集約によって誕生するコンパクトシティは、利便性の向上というメリットをもたらします。このコンパクト化により、人々が生活に必要な施設やサービスに容易にアクセスできるようになります。これにより、移動時間が短縮され、利便性が増大します。また、公共交通機関へのアクセスも改善され、自家用車への依存度が低減します。その結果、交通渋滞の緩和や大気汚染の軽減にもつながります。さらに、コンパクトシティは都市の経済活動の活性化にも寄与します。機能の集積によって企業間のコラボレーションが促進され、イノベーションが生まれやすくなります。
日本のコンパクト化戦略

日本では、近年コンパクト化戦略が推進されています。この戦略の目的は、都市機能をコンパクトに集約することで、利便性を向上させることです。具体的には、住宅や商業施設、公共施設などを中心部や駅周辺に集中させ、住民が徒歩や自転車、公共交通機関を利用することで手軽にアクセスできるようにします。
コンパクト化戦略により、移動距離の短縮や交通渋滞の緩和、エネルギー消費の削減などが期待されています。また、都市の防犯性や防災性が向上し、住みやすい環境が整備されることも目指されています。
立地適正化計画制度とは?

立地適正化計画制度とは、都市機能を適正に配置し、効率的な土地利用を促進するための制度です。この制度では、都市計画区域を「用途地域」と「整備区域」に分け、用途地域では建物の用途や高さ、容積率などを規制し、整備区域では公園や道路、公共施設などの整備に関する計画を定めます。これにより、都市機能の集約を促し、利便性向上や都市環境の改善を図ります。
地域公共交通網形成計画の意義

地域公共交通網形成計画の意義
コンパクトシティを実現するためには、利便性と効率性を両立させた公共交通網が不可欠です。地域公共交通網形成計画は、都市機能の集約されたコンパクトな街づくりに欠かせない取り組みです。この計画では、住民の居住地と商業施設、公共サービス、職場など重要な都市施設を結ぶ交通ネットワークを構築します。
公共交通網の充実により、自家用車の利用が削減され、交通渋滞の緩和や大気汚染の軽減につながります。また、高齢者や障害者を含むすべての住民が、必要なサービスや施設に容易にアクセスできるようになります。これにより、社会的包摂が進み、住みやすく利便性の高い都市が実現するのです。
コンパクトシティ実現の課題

コンパクトシティ実現の課題
コンパクトシティ実現にはいくつかの課題があります。まず、都市機能の集約に伴う再開発の費用負担が挙げられます。既存施設の移転や新設には巨額の費用が必要となるため、都市の財政力に大きな負担がかかります。また、住民の抵抗も課題です。再開発に伴う環境の変化や生活利便性の低下を懸念する住民の反対に遭う場合があり、計画の推進が遅延したり頓挫したりすることがあります。さらに、郊外への人口流出もコンパクトシティの実現を阻害する要因です。郊外住宅地が魅力的であると認識されれば、都市中心部の人口減少につながり、都市機能の集約が困難になります。