白華現象とは?コンクリートの劣化を招く原因と対策

不動産取引の初心者
先生、『白華現象』について教えてください。

不動産の研究家
白華現象は、コンクリートなどの表面に浸出して結晶化した白い物質が出現する現象のことです。主に、硫酸ソーダなどの硫酸アルカリを含む材質に起こります。

不動産取引の初心者
なるほど。冬場の工事に多いということですが、これはなぜですか?

不動産の研究家
冬場は気温が低く、水分が蒸発しにくいため、コンクリート内部で結晶化が進行しやすいのです。また、軟らかい石質の場合には致命的な損傷を与えることもあります。
白華現象とは。
「白華現象」と呼ばれる建築用語があります。コンクリートなどの表面に、内部から浸み出した結晶化した白い物質が現れる現象です。コンクリート、石材、レンガの目地などに発生しやすく、特に硫酸ソーダや硫酸アルカリを含む素材の場合や、冬の工事で多く見られます。柔らかい石でできた場合は、深刻な損傷につながる可能性があります。別名として「エフロレッセンス(エフロ)」、「鼻垂れ」、「凝花」などがあります。
白華現象の発生原因

白華現象は、コンクリート表面に白い粉状の物質が付着する現象です。この現象は、コンクリート中の可溶性塩分が水分に溶け出し、表面に析出して発生します。この可溶性塩分は、主にセメントのアルカリ成分や骨材に含まれる不純物由来です。水分がコンクリート内部から蒸発したり、外部から浸透したりすると、塩分が溶解して表面に移動し、結晶化して白い粉を形成します。この現象は、コンクリートの美観を損なうだけでなく、構造上の問題にもつながる可能性があります。
白華現象による影響

-白華現象による影響-
白華現象は、コンクリートの表面に白い粉状の物質が析出する現象です。この物質は主にカルシウム炭酸塩で構成されており、コンクリートの美観を損ねるだけでなく、耐久性にも悪影響を及ぼします。
白華が発生すると、コンクリートの表面が弱くなり、ひび割れや剥離が発生しやすくなります。ひび割れは水分や酸素の浸透を許し、さらなる劣化を招きます。また、剥離はコンクリートの構造的な強度を低下させ、耐震性にも影響を与える可能性があります。さらに、白華はコンクリートの熱反射率を低下させるため、夏場の暑さの原因にもなります。
白華現象の対策

-白華現象の対策-
白華現象の発生を防ぐためには、適切な対処法を講じることが不可欠です。コンクリートの品質を維持し、構造的な完全性を確保するために、以下の対策を検討する必要があります。
調合設計の最適化できるだけ少ないセメントを使用し、適切な水セメント比を維持することで、遊離石灰の発生を抑えられます。
適切な水和の確保十分な養生期間を設けて、コンクリートに適切な水和時間を与えることが重要です。これにより、セメントの完全な水和を促進し、遊離石灰の生成を防げます。
表面処理材の施工シラン系やアクリル系などの表面処理材を塗布すると、コンクリートの表面に保護層を形成できます。これにより、水の浸透を防ぎ、白華現象の発生を抑えられます。
排水性の確保コンクリートの周りに適切な排水システムを設置することで、過剰な水分を排除できます。これにより、白華現象を引き起こす湿気の蓄積を防げます。
さらに、定期的なメンテナンスと掃除を行うことで、白華現象の発生を予防できます。これには、コンクリート表面からのほこりや汚れの除去、損傷の早期発見と修復が含まれます。
白華現象の予防

-白華現象の予防-
白華現象を予防するには、適切な建設材料の選択と施工方法が不可欠です。使用するコンクリートには低アルカリ性のセメントを用いることで、アルカリ分の溶出を抑えることができます。セメントのアルカリ分が高いと、白華の原因となるカルシウム化合物が溶け出しやすくなります。
また、コンクリートの水分を適切に管理することも重要です。水分が過剰になると、アルカリ分やカルシウム化合物が溶け出して表面に析出する可能性が高まります。そのため、水和反応が終了するまでコンクリートに十分な水分を供給し、その後は適切な乾燥を促す必要があります。
さらに、コンクリート表面を防水処理することで、水分が浸入するのを防ぎ、白華現象の発生を抑制できます。防水剤やシーラーを塗布することで、コンクリートの表面を保護し、水分の浸透を防ぎます。
白華現象の除去方法

-白華現象の除去方法-
白華現象が発生してしまった場合、その除去方法は状況によって異なります。表面に付着した白華は、酸洗いで除去できますが、コンクリート内部まで浸透した白華は完全には除去できません。ただし、ワイヤーブラシや研磨剤を使用して表面を研磨することで、白華の外観を目立たなくすることは可能です。また、防水塗料やコーティングを施すことで、白華の再発を防ぎ、コンクリートのさらなる劣化を防ぐことができます。