青田売りとは?その語源と不動産業界での意味

不動産取引の初心者
『青田売り』の意味を教えてください。

不動産の研究家
未完成の建物を販売することを指します。稲が青い間に売ることに由来しています。

不動産取引の初心者
『青図売り』はどういう意味ですか?

不動産の研究家
設計図や未完成の建物を売ることを指し、『青田売り』の別名です。設計図が青色だったことに由来しています。
青田売りとは。
不動産業界で「青田売り」と呼ばれる用語があります。これは、建物の完成前に販売することを指し、「竣工売り」や「完成売り」とは対照的な概念です。
「青田売り」という言葉の由来は、農家が秋の収穫を待たずに、まだ青い稲を収穫の見込みで売っていたことにあります。そこから転じて、未完成のものを売る場合にも使用されるようになりました。
また、「青図売り」という用語もあります。これは、設計図のコピーを日光感光方式で作ると青い図面になることから、設計図のことを「青図」と呼び始めました。そして、「青図」の発音が「青田」に似ていることから、「青図売り」が設計図を売る、または未完成の商品を売るという意味でも用いられるようになったのです。
青田売りの語源

-青田売りの語源-
「青田売り」という用語は、まだ収穫されていない、実が青い稲作の田んぼを売買する慣習に由来しています。かつては、農作物の収穫が不安定で凶作のリスクが高かったため、農民は収穫前の青いうちに田んぼを売却し、現金を確保していました。これが、収穫されない農作物に対する売買という概念の起源となっています。
現在では、「青田売り」という言葉は完成していない不動産の先行販売を指すようになりました。完成前に購入することで割安に購入できる一方、完成後の品質や仕様が不確定なリスクがあります。
青図売りの語源

青図売りの語源は平安時代に遡ります。当時は、まだ土地の所有権が確立しておらず、田畑は主に朝廷や有力者に所有されていました。これらの所有者は、自らが所有する土地の権利を証明するため、田畑の様子を描いた絵図を作成しました。この絵図は「青図」と呼ばれ、緑色の墨で田畑などを描いたことから名付けられました。
青図は、土地の売買の際にも用いられました。土地の所有者が青図を提示することで、売買される田畑の正確な位置や範囲を確認することができたのです。このことから、土地の売買を「青図売り」と呼ぶようになりました。
青田売りのメリット

青田売りのメリットは、タイミングよく利用することで大きな恩恵を受けることができます。まず、市場価値が上昇する前の段階で購入するため、資産価値の値上がりに期待できます。また、開発計画の前段階で購入すれば、新しい住宅や商業施設の建設による周辺環境の整備によって、将来的に利便性や資産価値が向上する可能性があります。さらに、そのエリアの開発計画や市場動向をいち早く把握できるため、投資判断に役立てることができます。また、販売時期が未定の物件を購入できるため、建設中の物件や未発売の物件を優先的に購入できるというメリットもあります。
青田売りのデメリット

-青田売りのデメリット-
青田売りには、いくつかのデメリットがあります。まず、未完成の物件のため、実物を見ることができず、完成後のイメージがつかみにくいという点があげられます。また、構造や設備が変更される可能性があり、購入後に想定外の費用が発生するリスクもあります。さらに、まだ完成していないため、入居時期が遅れる可能性も考慮しなければなりません。このほか、青田売り物件は将来的な値上がりが見込まれている物件に多く見られるため、相場よりも割高で購入する可能性があります。
青田売りの注意点

-青田売りの注意点-
青田売りを実施する際には、以下の点に注意が必要です。
* 未完成段階での契約青田売りの場合、物件が未完成の段階で契約を締結します。そのため、完成予想図面やイメージ図のみを基に判断することになり、実物とイメージが異なる可能性があります。
* 工程の遅延リスク建設中には思わぬ工程の遅れが発生する可能性があります。この場合、契約上の引き渡し時期が延びるだけでなく、購入者はそれまでの間、家賃を支払わなければなりません。
* 仕様の変更青田売りの契約では、物件の仕様が契約後に変更されることがあります。これは、工事の進行具合や法令の改正などによるもので、希望していた仕様と異なる場合もあります。
* 権利関係の確認青田売りの物件は、完成後に他の権利者がいることが発覚する場合があります。そのため、事前に登記簿や測量図を十分に確認し、権利関係が明確になっていることを確認することが重要です。