アスベストとは?危険性や対策

不動産取引の初心者
アスベストってどんなものですか?

不動産の研究家
アスベストとは、天然に産出される繊維状の鉱物のことだよ。耐火性と断熱性に優れているため、かつては建築材料として多く使われていたけれど、発がん性や大気汚染などの問題から現在では使用が規制されているんだ。

不動産取引の初心者
なるほど。じゃあ、今はもう使われていないんですね。

不動産の研究家
そう。ただ、過去にアスベストを使用した建物を解体するときに、アスベストが飛散してしまうという問題があるため、その対策が重要なんだよ。
アスベストとは
建築業界でよく耳にする「アスベスト」という用語は、天然由来の繊維状鉱物である石綿を指します。耐火性と断熱性に優れていることから、かつては建材として広く用いられていましたが、発がん性や大気汚染などの健康被害が明らかになり、現在では使用が規制されています。そのため、アスベストを含む既存建物を解体する際には、飛散を防ぐための適切な対策が必要となっています。
アスベストの特徴と用途

アスベストは、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れた繊維状の鉱物です。これらの特性から、耐火性と断熱性に優れた建設資材として広く利用されてきました。アスベストは、屋根材、断熱材、耐火スプレー、床材、塗料、ブレーキライニングなど、さまざまな製品に使用されています。その高い耐熱性により、機械や産業機器の断熱にも適しています。
アスベストの健康リスク

アスベストの健康リスクは、アスベスト繊維の吸入によって引き起こされるさまざまな病気に関しています。アスベスト繊維は非常に小さいため、肺の奥深くに到達し、呼吸器系に長期的な損傷を引き起こす可能性があります。最も一般的な健康リスクとしては、次のようなものがあります。
* 石綿肺アスベスト繊維の吸入により肺組織に炎症が起こり、瘢痕化して呼吸困難を引き起こします。
* 中皮腫アスベスト繊維が肺、腹壁、心臓の漿膜を覆う中皮細胞に悪性腫瘍を引き起こします。
* 肺がんアスベスト繊維の吸入は、肺がんのリスクを大幅に増加させます。
アスベストを含む建物の解体時の対策

アスベストを含む建物の解体時には、アスベストの飛散を防ぐための厳重な対策が必要です。解体作業は資格を持った専門家によって行われ、事前調査を実施してアスベストの有無を確認します。アスベストが確認された場合は、飛散防止対策として、建物をシーリングし、負圧状態にして、濡らして吸引するなどの対策を行います。また、作業員は防護服やマスクを着用し、アスベストの飛散を最小限に抑えます。さらに、周囲の住民への影響を考慮し、飛散防止ネットを設置したり、告知を行ったりするなどの配慮も必要です。
アスベストの飛散防止対策の重要性

アスベストは健康に悪影響を及ぼす物質で、吸い込むと肺がんや中皮腫などの重篤な疾患につながる可能性があります。そのため、アスベストを含んだ材料が飛散するのを防ぐことが不可欠です。アスベストの飛散は、建物の改修や解体、また自然災害などによって発生する可能性があります。飛散したアスベストは空気中に浮遊し、長時間にわたって人々に悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、アスベストを含む建材を扱う際には、適切な飛散防止対策を講じることが非常に重要です。
アスベスト関連法規の動向

アスベストによる健康被害が深刻であることから、世界各国ではアスベストの使用に関する規制が強化されています。日本では、2006年に制定された「石綿障害予防規則」が主な法規制です。この規則では、アスベスト含有建材の使用やアスベスト作業に厳格な規制が定められています。
近年、アスベストによる健康被害が再認識され、さらなる法規制の強化が求められています。2021年には、アスベストの使用を原則禁止する「アスベスト使用禁止法」が施行されました。ただし、耐火被覆や耐熱摩擦材など一部の用途では、一定条件下で使用が認められています。また、アスベスト含有建材の調査や除去に関する義務も強化されており、企業や建物の所有者に対してより厳格な対応が求められています。