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不動産取引における同時履行の抗弁権

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不動産取引における同時履行の抗弁権

不動産取引の初心者

先生、『同時履行の抗弁権』について教えてください。

不動産の研究家

『同時履行の抗弁権』ね。これは、双務契約において一方の当事者が履行の請求を受けた場合、相手方の履行を提供するまで自己の履行を拒否できる権利のことだよ。

不動産取引の初心者

双務契約とは、お互いに履行しなければならない契約のことですか?

不動産の研究家

その通り。そして、『同時履行の抗弁権』を利用するには、相手方が債務の履行を提供せず、かつ債務が弁済期にある必要があるんだよ。

同時履行の抗弁権とは。

「同時履行の抗弁権」とは、売買など双方が義務を負う契約(双務契約)において、当事者の一方が義務の履行を求められた場合に、相手方が自分の義務を履行するまで自分の義務の履行を拒むことができる権利のことです。

たとえば、売主は買主が代金を支払うまでは商品の引き渡しを拒否できます。なお、双務契約に限らず、契約を解除した場合の原状回復義務、売主の瑕疵担保責任、請負人の瑕疵修繕義務など、ある法律関係から発生するお互いに相反する2つの義務があり、それらを同時に履行することが公平と認められる場合にも、同時履行の抗弁権が認められます。

この抗弁権が成立するための条件は、民法第533条で以下のように定められています。

* 双務契約から生じる相反する義務であること
* 相手方が自分の義務の履行を行わずに履行を求めてきたこと
* 相手方の義務が履行期限に達していること

同時履行の抗弁権とは

同時履行の抗弁権とは

不動産取引における同時履行の抗弁権とは、契約当事者の双方が、相手方が自らの義務を履行するまでは、自己の義務を履行しないという権利を指します。これは、当事者間の公平性を確保し、一方当事者の義務履行を妨げるために、もう一方の当事者に履行を拒否する権利を与えるものです。不動産取引においては、買主が代金を支払う前に物件の引渡しを受けられない、あるいは売主が物件を引き渡す前に代金を受け取れないといった場合に、この抗弁権が援用されることがあります。

成立要件

成立要件

不動産取引における同時履行の抗弁権の成立要件は、以下のとおりです。

まず、当事者間で不動産の売買契約が有効に成立している必要があります。次に、売主は契約上の義務である不動産の引渡しを完了していない必要があります。また、買主は自身の契約上の義務である代金の支払いを完了していない状態であることが求められます。さらに、売主が買主の代金支払いを拒否している必要があります。これらの要件をすべて満たす場合に、買主は同時履行の抗弁権を行使することができます。これにより、買主は代金を支払うことなく、不動産の引渡しを受けることができます

不動産取引における適用事例

不動産取引における適用事例

不動産取引において、同時履行の抗弁権が適用される例をいくつか挙げましょう。

まず、売買契約において、買い主が代金を支払わない限り、売主は物件を引き渡す義務を負いません。この場合、買い主が代金を支払わない限り、売主は引き渡しを拒否する権利を有します。

次に、賃貸借契約において、賃借人が賃料を支払わない場合、貸主は物件の使用を拒否できます。また、賃借人が物件を不法に使用したり、損壊した場合、貸主は契約を解除し、物件の明け渡しを求めることができます。

さらに、請負契約において、請負人が工事を完了しない場合、発注者は工事の受け取りを拒否できます。また、請負人が工事を不適切に完了した場合、発注者は瑕疵の修補を求めることができます。

これらの事例は単なる一例であり、同時履行の抗弁権が適用される状況は他にも数多くあります。

注意点

注意点

注意が必要な点として、同時履行の抗弁権は担保権を有する者や譲受人など第三者に対抗できない場合があります。また、債務者が自己の債務不履行により引き起こした損害の賠償請求を受ける場合、同時履行の抗弁権は行使できません。さらに、一部の未履行がある場合にのみ同時履行の抗弁権が行使可能で、それが重篤な未履行でない場合は行使できない点にも留意が必要です。

まとめ

まとめ

不動産取引において、同時履行の抗弁権とは、売買代金の支払いと物件の引き渡しを同時に実行することを求める権利のことです。例えば、売主が代金の支払いを求めたのに対して、買主が「まだ物件を引き渡してもらっていないから支払わない」と拒否できる権利です。この抗弁権は、売主と買主の双方が、相手方の義務履行を待ってから自己の義務を果たすことを確保するために認められています。つまり、片方の当事者が義務を履行しない限り、もう一方の当事者は自己の義務を履行する必要がないということです。同時履行の抗弁権は、不動産取引において、各当事者の権利と義務を明確にし、トラブルを回避するために重要な役割を果たしています。

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