建築審査会とは?その役割と構成を解説

不動産取引の初心者
建築審査会って何ですか?

不動産の研究家
特定行政庁が例外許可などをする際の同意や不服申立に関する決議を行う行政機関です。

不動産取引の初心者
どこにあるんですか?

不動産の研究家
都道府県、建築主事を置く市町村、および東京都の特別区に設けられています。
建築審査会とは。
「建築審査会」とは、都道府県や建築主事を置く市町村(一部の権限のみを有する市町村を除く)に加え、東京都の特別区に設置されている行政機関です。
建築審査会は、特定の行政機関が例外許可を与える場合の同意や、不服申し立てに対する決定を行います。審査会は、法律、経済、建築、都市計画、公衆衛生、行政などの分野に関する知識と経験を有し、公共の福祉を適切に判断できる者の中から、都道府県知事または市町村長によって5人または7人の委員で構成されます。
建築審査会の役割

-建築審査会の役割-
建築審査会とは、建築法に基づいて設置される組織で、主に建築物の設計図書や施工図書を審査し、建築基準法などに適合しているかどうかを判断する役割を担っています。 審査結果は、建築確認や開発許可などの行政手続きに利用されます。建築審査会の審査対象となるのは、原則として高さ10m以上の建築物、大規模な建築物等です。
審査業務を行うのは、主に建築士、構造エンジニア、設備エンジニアなどの専門家から構成される審査委員です。審査は、書類審査と現地審査の両方で行われ、建築物の用途、規模、構造、安全性、環境への配慮などを総合的に評価します。審査結果に基づいて、建築主に対して建築確認検査済み証の交付や、条件付きの許可などの措置が取られます。
建築審査会の構成

建築審査会の構成建築審査会は、建築に関する専門知識を有する委員で構成されています。委員の選任は、国土交通大臣が行います。委員は、建築家、都市計画家、構造設計者、建築設備士、景観設計士など、建築に関する幅広い分野の専門家から選出されます。
建築審査会の設置基準

建築審査会の設置基準
建築審査会は、特定の要件を満たす建築物に対して設置されます。一般的には、高さ31メートル以上、延べ面積5千平方メートル以上などの大型建築物や、用途が特殊で専門性の高い知識が必要なもの(劇場、病院など)に対して設置が義務付けられています。また、歴史的建造物の改修や保存を目的とした場合は、高さや延べ面積に関係なく審査会が設置されます。
建築審査会の権限

「建築審査会の権限」
建築審査会の最大の権限は、建築基準法に適合しない建築物に対して「不許可処分」を下すことです。不許可処分とは、建築物の建築を許可しないことを意味し、審査会が建築物の建築許可を却下する決定を下します。建築基準法は、建築物の安全、衛生、環境保全などの安全基準を定めた法律で、この基準を満たさない建築物は不許可処分を受ける可能性があります。また、建築審査会は、建築物の変更や用途変更について審査し、許可するかどうかの判断も行います。さらに、建築物の構造や設備に関する助言や指導を行うなど、建築物の適正な建設を図るため、幅広い権限を有しています。
建築審査会の審議

-建築審査会の審議-
建築審査会では、審議会の委員が建築物の設計図書や資料を審査します。審査の対象となるのは、主に建築物の構造、安全、衛生、景観などの要件を満たしているかどうかです。審査会では専門家による客観的な意見を総合的に集約し、建築物の適正な設計を確保します。
審議では、委員が意見や質問を交わし、設計の妥当性や課題を議論します。委員は、建築技術や構造力学、景観計画などの専門分野から選出されており、多角的な視点から審査を行います。また、設計担当者や関係者が出席する場合もあり、直接意見交換することもあります。
審議の結果、建築物の設計が要件を満たしていると認められれば、建築審査会は建築確認の承認をします。ただし、設計に不備や不適切な点があれば、審査会は設計の修正や再検討を求める場合があります。このように、建築審査会は建築物の適正な設計を厳格に審査し、建築物の質と安全性を確保する重要な役割を果たしています。