マンション管理士とは?役割と取得方法

不動産取引の初心者
先生、「マンション管理士」って何ですか?

不動産の研究家
マンション管理士とは、マンションの管理に関する相談や助言を行う専門家のことです。

不動産取引の初心者
なるほど、マンションの管理組合とかが相談する相手ってことですね。

不動産の研究家
そうです。特に最近は、マンションの大規模修繕や建て替えに関する相談が増えているんですよ。
マンション管理士とは。
マンション管理に関する専門家「マンション管理士」とは、マンションの管理組合の運営や建物の技術的な課題について相談に応じ、助言や指導、支援を行う方々を指します。国土交通省が管轄する(公財)マンション管理センターが実施する「マンション管理士」試験(国家資格)に合格した者のみが名乗ることができます。ここ近頃では、マンションの大規模修繕や建て替えに関する相談が急増しています。
マンション管理士の役割

マンション管理士の役割は、マンションの適切な維持管理を円滑に行うために不可欠です。彼らは、以下のような重要な業務を担っています。
* 管理規約や細則の遵守マンションのルールが遵守されているかを確認し、違反があれば是正措置を講じます。
* 設備の維持管理共有部分の設備(エレベーター、照明、防災設備など)の適切な保守点検を行い、故障やトラブルを未然に防ぎます。
* 経費の管理マンション運営に必要な経費の予算を作成・管理し、無駄のない効率的な運用を図ります。
* 住民とのコミュニケーション住民からの要望や苦情に対応し、マンション内の円滑なコミュニケーションを確保します。
* トラブル対応水漏れや騒音などのトラブルが発生した際に迅速に対応し、住民の生活の安全と快適性を守ります。
マンション管理士になる方法

マンション管理士になるには、特定の要件を満たす必要があります。まず、建築基準法や消防法などの関連法規に関する知識が必要です。また、マンション管理の実務経験が3年以上あることも条件の一つです。これらの要件を満たしている方は、マンション管理士国家試験を受験する資格があります。試験は毎年1回実施され、合格すればマンション管理士の資格が取得できます。
マンション管理士検定試験

マンション管理士検定試験は、マンション管理士の資格を取得するための国家試験です。試験は一般社団法人 マンション管理士認定機構(JMCC)によって実施され、毎年3月上旬と9月上旬の年2回実施されています。
試験は選択式問題と記述式問題で構成されており、マンションの維持管理に関する幅広い分野から出題されます。具体的には、区分所有法や建築基準法、共用部分の管理・修繕、財務管理、顧客対応などです。
近年のマンション管理士の役割の変化

近年の住宅事情の変化やマンションの高齢化に伴い、マンション管理士の役割も変化しています。かつてはマンションの日常管理や修繕が主でしたが、現在は入居者のサポートや地域コミュニティの活性化など、住民を取り巻く環境づくりや問題解決にも積極的に関わるようになっています。また、マンションのセキュリティ対策や防災対策などの高度化も求められ、管理士は総合的な知識やスキルを身につける必要があります。さらに、マンションの資産価値維持や再開発への対応など長期的視点からの管理も求められ、マンション管理士の役割はますます重要になってきています。
マンションの大規模修繕や建て替えへの関わり

マンション管理士は、マンションの大規模修繕や建て替えにおいて重要な役割を担っています。大規模修繕とは、マンションの構造や主要設備を大規模に修繕する工事で、築後12~15年程度で実施されることが一般的です。マンション管理士は、修繕計画の策定、業者選定、工期管理などを担い、マンションの資産価値の維持と居住者の生活の安全を確保します。
また、建て替えとは、マンションを解体して同じ場所に新しいマンションを建設する工事です。マンションの寿命は築50~60年程度といわれており、老朽化が進んだ場合に建て替えが検討されます。マンション管理士は、建替え計画の策定、居住者との合意形成、行政との調整などを担い、円滑な建て替えの実施をサポートします。