建築工事届と建築物除却届について

不動産取引の初心者
『建築工事届』についてもう少し詳しく教えてください。

不動産の研究家
『建築工事届』は、建築物を建築する際に都道府県知事に提出すべき届出です。新築、増築、改築、移転などの工事が対象となります。

不動産取引の初心者
建築物を除却する場合の届け出はありますか?

不動産の研究家
『建築物除却届』といい、施工者が提出する義務があります。これに基づいて作成された統計が『建築物滅失統計』として公表されています。
建築工事届とは。
建築関連用語で「建築工事届」というものがあります。これは、建築を新築・増築・改築・移転する場合、建築主が都道府県知事に一定事項を届け出る必要があります。また、建物を解体する場合は、解体工事の施工者が「建築物除却届」を提出することが義務付けられています。
知事は、これらの届出に基づいて「建築統計」を作成し、国土交通大臣に報告することになっています。この建築統計は、「建築着工統計(建築物・住宅)」と「建築物滅失統計(除却および災害)」として公表されています。
建築工事届の提出義務

建築工事届の提出義務は、建築基準法で定められています。建築基準法の第7条によると、建築主は、建築工事に着手する前に、建築主事(市町村の建設主管課長)に建築工事届を提出しなければなりません。
建築工事届には、建築主の氏名や住所、建築物に関する情報(所在地、用途、構造など)、建築業者の氏名や住所などが記載されます。建築工事届は、建築確認申請と異なり、建築基準法上の許可等ではありません。しかし、建築主が建築工事に着手したことを建築主事が確認するための届出であり、建築主事には違反行為に対する措置を講じる権限があります。
そのため、建築主は建築工事に着手する前に必ず建築工事届を提出することが義務付けられています。建築工事届の提出がない場合は、建築主事に工事の停止や是正命令が出される可能性がありますので、注意が必要です。
建築物除却届の提出義務

建築物除却届の提出義務
建築基準法第7条第2項に基づき、次のいずれかに該当する建築物を除却する場合は、建築主は除却開始の15日前までに区市町村長に建築物除却届を提出する必要があります。
* 建築面積または延べ面積が500平方メートル以上の建築物
* 高さが10メートル以上の建築物
* 鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物
* 木造3階建て以上の建築物
知事による建築統計の作成

建築工事届と建築物除却届は、建築主が知事に提出する必要のある書類です。これら届出は、建築物の新築、改築、増築、移転、用途変更、解体など、建築物を利用する際に必要となるものです。これらの届出は、建築統計の作成に役立てられます。
建築統計は、建築物の建設状況や用途に関するデータを収集・集計したものであり、国土交通省の建築基準局が作成しています。建築統計は、住宅や建築物の建設動向を把握し、今後の住宅や都市計画の策定に役立てるための重要な資料となっています。
建築着工統計(建築物・住宅)

建築着工統計(建築物・住宅)は、建築工事届の提出された建築物と住宅の着工数および床面積を統計調査したものです。国の経済状況や住宅政策などの分析に活用されています。統計調査の対象となるのは、建築主が建築着工を始める日から起算して60日以内に地方公共団体へ提出する建築工事届です。この統計調査は、国土交通省が実施しており、毎月、全国の建築着工状況が発表されています。
建築物滅失統計(除却および災害)

建築物除却届に関連して、「建築物滅失統計」という統計があります。この統計は、除却や災害によって滅失した建築物の状況を把握するために作成されています。除却による滅失は、老朽化や建て替えに伴うもので、災害による滅失は、地震や台風などの自然災害によるものです。この統計は、建築物の老朽化や災害の発生状況を分析し、適切な対策を講じるための基礎データとして活用されています。