不動産用語『留置権』のすべてを解説

不動産取引の初心者
先生、「留置権」について教えてください。

不動産の研究家
留置権とは、他人の所持品を担保として占有している者が、債務の弁済を受けるまでその所持品の返還を拒否できる権利のことだよ。

不動産取引の初心者
なるほど、債務者が債務を支払うまで担保物を引き渡さなくていい権利ですね。

不動産の研究家
その通り。留置権は担保物権の一種で、当事者の意思とは関係なく自動的に発生する法定担保物権なんだ。
留置権とは。
不動産にまつわる用語「留置権」とは、ある人が他人の物を占有していて、その物に対して債権を持っている場合に、その債権が支払われるまでその物の引き渡しを拒否できる権利のことです。
この権利は、担保物権の一つであり、法律によって定められているため、当事者の意思に関係なく自動的に発生します。そのため、「法定担保物権」と呼ばれています。
留置権とは?

留置権とは?
留置権とは、債務者が債権者に対して債務を履行しない場合に、債権者が債務者の財産を占有し、債務の履行が得られるまで返還しないことができる権利です。留置権は、債権者に債権を確保するための担保的な権利であり、債務者の破産や夜逃げなどによって債権の履行が困難になるのを防ぐ役割を果たします。留置権が成立するには、債権者と債務者との間で請求権・債務関係が存在すること、債権者が占有している財産が債務の履行に関連していること、留置権を行使する正当な理由があることなどの要件を満たす必要があります。
留置権の種類

-留置権の種類-
留置権には、「一般的留置権」と「特別留置権」の2種類があります。
* 一般的留置権は、債権者が債務者の所有する財産を所有権の移転なく占有した場合に認められる留置権です。たとえば、修理工場が修理代金の未払いを理由に修理した車を所有・占有する場合です。
* 特別留置権は、特定の法律で定められた場合に認められる留置権です。たとえば、運送業者が運送委託を受けた荷物を運送費の未払いを理由に占有する場合や、宿屋が宿泊代金の未払いを理由に宿泊客の手荷物を占有する場合です。特別留置権は、法的根拠が明確なため、一般的留置権よりも強い権利となります。
留置権の要件

留置権の行使には、一定の要件が定められています。まず、留置権を行使できるのは、債務履行期が到来した債権についてのみです。つまり、まだ期限が来ていない債権については留置権を行使できません。また、留置権の目的物となるのは、債務者の所有物でなければなりません。他人の物を留置することはできません。さらに、留置権は、債権を担保する目的でなければ行使できません。単に債務者を困らせる目的で留置権を行使することはできません。これらの要件がすべて満たされた場合に限り、留置権を行使することができます。
留置権の行使方法

留置権の行使方法
留置権の行使には所定の手続きが必要です。債権者が債務者に対して留置権を行使するには、次の手順に従います。
1. -債務の履行催告-
債権者はまず、債務者に対して債務の履行を促す必要があります。
2. -留置権を行使する旨の通知-
債権者は、債務者に留置権を行使する旨を通知します。この通知では、留置する財産と留置する理由を明確に記載します。
3. -財産の占有-
債権者は、留置する財産を物理的に占有します。財産が動産の場合は債権者が保管し、不動産の場合は登記を行います。
4. -留置権の登記-
不動産に対する留置権を主張する場合、債権者は登記簿に留置権の登記を行います。登記により、留置権の対抗力が生じます。
留置権は、債務者が債務を履行するまで継続します。債務が履行された場合、債権者は留置権を解除し、財産を債務者に返還する義務があります。
留置権の消滅原因

-留置権の消滅原因-
留置権は、ある一定の条件が満たされると消滅します。たとえば、債務の弁済が完了した場合、留置権は消滅します。また、留置権者は自己の債権を放棄した場合、留置権も消滅します。さらに、留置権の目的物が滅失した場合、留置権は消滅します。また、留置権者が目的物を第三者に譲渡した場合、留置権も消滅します。ただし、目的物が第三者に譲渡された場合でも、留置権者が譲受人に対する債権を有する場合は、留置権は消滅しません。