柱状改良工法とは？その仕組みとメリット

2024-03-25

柱状改良工法とは？その仕組みとメリット

不動産取引の初心者

先生、柱状改良工法について教えてください。

不動産の研究家

柱状改良工法は、セメントミルク（セメント系固化材と水を混ぜたもの）を軟弱層に注入して、土を柱状に固める地盤補強の手法です。

不動産取引の初心者

どんな場合に適用されるのですか？

不動産の研究家

軟弱層が2m～8m程度まで分布している場合に適用されます。工期が短く、低騒音・低振動施工で近隣への影響も少ないです。

柱状改良工法とは。

不動産業界でよく使われる用語に「柱状改良工法」があります。これは、地盤を強化する工法の1つで、安定した地盤までセメントミルク（セメント系固化材と水を混ぜたもの）を注入し、土を柱状に固めていきます。セメントミルクを用いる「湿式」と、粉体をそのまま利用する「乾式」の2種類があります。

この工法は、2～8m程度の厚さで軟弱な地盤がある場合に適しています。また、工期が通常1～2日程度と短く、低騒音・低振動施工のため、近隣への影響も少ないという特徴があります。

柱状改良工法の仕組み

柱状改良工法の仕組みは、地盤の軟弱層に柱状の円柱を築いて地盤を強化する方法です。まず、地盤に掘削孔を立て、ケーシングパイプを設置します。次に、ドリルビットで軟弱層を掘削しながら、ケーシングパイプの内側より掘削した土砂を混ぜながら、軟弱層にセメントミルクを注入します。セメントミルクが土砂と混ざり合うことで、地盤の強度が向上します。こうして地盤中に柱状の円柱が形成され、地盤の支持力が増大します。

湿式と乾式の差

柱状改良工法には、「湿式」と「乾式」の2種類があります。

湿式は、セメントやスラリーを注入して地盤を固める方法です。土質の改善効果が高く、軟弱地盤や不同沈下を起こしやすい地盤に適しています。一方、乾式は、砕石や砂を圧入して地盤を締め固める方法です。湿式よりも工期が短く、経済的です。ただし、土質の改善効果は湿式に劣ります。

適用できる地盤条件

柱状改良工法の適用できる地盤条件は、大きく分けて軟弱地盤と締固地盤の2つに分けられます。軟弱地盤とは、粘性土や軟弱な砂地盤など、地盤強度の低い地盤のことです。締固地盤とは、礫や砂が固く締まった地盤のことです。一般的に、柱状改良工法は軟弱地盤に適用され、締固地盤には適用されません。ただし、特殊な工法を組み合わせることで、締固地盤にも適用できる場合もあります。

施工のメリット

柱状改良工法の施工上のメリットとして、まず挙げられるのが、環境への配慮です。この工法では、地盤を掘削したり、土を処分したりする必要がないため、騒音や振動、土砂の流出などを抑えることができます。また、他の工法に比べて、施工期間が短く、コストが安価な場合が多いです。さらに、軟弱地盤の強度を高めることで、建物が不同沈下を起こしたり、傾いたりするリスクを低減できます。