パイプシャフトの床面積への算入・不算入とは?

不動産取引の初心者
先生、「パイプシャフトの床面積への算入・不算入」について教えてください。

不動産の研究家
パイプシャフトは、配管用スペースとして設けられる縦方向の中空スペースのことだね。原則として、各階の床面積に算入されるよ。

不動産取引の初心者
つまり、パイプシャフトの面積も部屋の床面積として計算されるということですか?

不動産の研究家
その通り。ただ、一部例外もあるから、具体的には物件の図面や規約を確認する必要があるよ。
パイプシャフトの床面積への算入・不算入とは。
不動産業界でよく使われる用語「パイプシャフトの床面積へのカウント」について説明しましょう。パイプシャフトとは、住宅やマンションなどの建物の縦方向に設けられた配管用のスペースのことです。通常、このスペースの面積は各階の床面積に含まれます。
パイプシャフトとは

-パイプシャフトとは-
パイプシャフトとは、建物内の空調・給排水・電気などの設備関連配管やダクトなどの設備スペースを確保するために設けられる専用空間のことです。通常、竪穴状に設計され、上下階を貫通しています。パイプシャフトは、建物の構造体内に設けられる場合と、建築の外壁側に設けられる場合があります。設備を収納し、それらの保守や点検を行うためのアクセス空間として利用されます。
床面積への算入の原則

-床面積への算入の原則-
一般的にパイプシャフトは建物に不可欠な設備とみなされ、原則として床面積に算入されます。ただし、以下の場合を除きます。
* 建築基準法施行令第124条第1項第2号に該当する、竪坑の構造をもつもの。
* 建築基準法施行令第126条に規定する、建築物の外部に露出したもの。
* 建築基準法施行令第126条の2に規定する、床面積に算入しない構造物に該当するもの。
これらの条件に該当する場合、パイプシャフトは床面積に算入されません。
算入されない場合

算入されない場合においては、パイプシャフトの床面積は居室面積に算入されません。具体的には 次のような場合が挙げられます。
* -パイプシャフトの用途が専ら給排気ダクトや配管収容のための場合は不算入-
* -パイプシャフトの床面積が5㎡未満の場合は不算入-
* -パイプシャフトの周囲が壁で囲まれており、居室とは明確に分離されている場合は不算入-
* -パイプシャフトが屋内バルコニーや屋内中庭の一部として機能している場合は不算入-
これらの場合においては、パイプシャフトの床面積は居室面積には含まれないため、建築基準法上の床面積の計算に影響しません。
床面積算入の重要性

床面積算入の重要性
建物の床面積は、不動産価値や税金の計算において重要な指標です。そのため、パイプシャフトなどの特定の空間を床面積に算入するかどうかは、建物の価値に大きな影響を与えます。床面積を過小申告すると税金の不正と見なされる可能性がある一方、過大申告すると建物が他の同様の建物よりも高く評価され、管理費用や税金の負担が増加する可能性があります。したがって、正確な床面積を算出することは、所有者にとって不可欠です。
実務上の考え方

実務上では、パイプシャフトの床面積の算入・不算入の判断基準として、次の考え方が用いられています。
* 換気・空調等の設備を収容する目的のみで、床面積に占める割合が5%未満の場合、算入しない。
* 上記以外の目的で床面積に占める割合が5%未満の場合、 半分の床面積を算入する。
* 床面積に占める割合が5%以上の場合、 全床面積を算入する。