不動産の短期譲渡所得をわかりやすく解説

不動産の短期譲渡所得をわかりやすく解説

短期譲渡所得とは？

不動産の短期譲渡所得とは、不動産を取得してから5年以内に売却した場合に発生する所得のことです。この場合、売却益は原則として譲渡所得（キャピタルゲイン）として課税されます。短期譲渡所得は、一般的には長期譲渡所得（取得後5年以上保有して売却した場合の譲渡所得）と比べて税率が高く設定されています。これは、短期的な不動産取引による投機的な利益に対する課税を強化するためです。そのため、不動産の売却を検討する際は、取得時期と売却時期を考慮し、税負担を軽減する必要があります。

課税短期譲渡所得金の計算方法

課税短期譲渡所得金の計算方法

不動産を譲渡した際の所得金額は、「譲渡価額」から「譲渡原価」と「譲渡費用」を差し引いて計算されます。譲渡価額とは、不動産を売却した価格のことです。譲渡原価とは、不動産を取得したり増改築したりした金額のことです。譲渡費用とは、売却にかかった手数料や仲介料などのことです。

これらの金額が確定すれば、課税短期譲渡所得金は、次の式で計算されます。

-課税短期譲渡所得金 = 譲渡価額 -（譲渡原価 + 譲渡費用）-

例えば、築10年のマンションを2,000万円で売却し、取得価格は1,200万円、仲介手数料が200万円だった場合、課税短期譲渡所得金は次のように計算されます。

-課税短期譲渡所得金 = 2,000万円 -（1,200万円 + 200万円） = 600万円-

税額の計算方法

-税額の計算方法-

不動産を譲渡した際の短期譲渡所得に対する税額は、譲渡差益に対して一律39.63％の税率が適用されます。譲渡差益とは、譲取得価額（購入時の費用）から売却時の譲渡代金を差し引いた金額のことです。

譲渡差益が50万円以下の場合、税額は所得税19.815％のみとなり、住民税は発生しません。また、譲渡差益が50万円を超える場合は、所得税に加えて住民税9.815％も課税されます。

税額の計算式は以下の通りです。

* -譲渡差益 50万円以下-
* 税額 ＝ 譲渡差益 × 所得税19.815％
* -譲渡差益 50万円超-
* 税額 ＝ 譲渡差益 × 所得税19.815％ + 住民税9.815％

特別控除とは？

「特別控除」とは、不動産の短期譲渡所得に対して適用される税金の軽減措置です。短期譲渡とは、取得してから5年以内に売買することで発生する所得を指します。

この特別控除は、短期譲渡によって生じた所得に対して一定の金額を控除することで、課税所得を減らし、納税額を軽減する仕組みです。控除対象となる所得には、譲渡金額から取得費と譲渡費用を差し引いた所得が含まれます。

注意点

不動産の短期譲渡所得には注意すべき点がいくつかあります。まず、所有期間が5年以内の不動産を売却した場合に、譲渡所得が発生します。この所得は、原則として他の所得と合算されて、総合課税の対象となります。つまり、他の所得によって税率が高くなると、不動産売却による利益もそれに応じて課税されます。

また、居住用不動産を売却した場合、一定の要件を満たすと、3,000万円特別控除が適用される場合があります。この控除が適用されると、売却益の一部が非課税となります。ただし、この控除は生涯1回限りしか利用できません。