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片務契約とは?双務契約との違いを解説

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片務契約とは?双務契約との違いを解説

不動産取引の初心者

先生、『片務契約』の意味を教えてください。

不動産の研究家

片務契約とは、契約当事者の片方だけが義務を負う契約のことだよ。

不動産取引の初心者

義務とは債務のことですよね?債務ってどういう意味ですか?

不動産の研究家

債務は、法律上特定の行為や給付をする義務のことだよ。つまり、片務契約では、一方の当事者だけが、何かをする、または与えるという義務を負っているんだ。

片務契約とは。

不動産関連の用語で「片務契約」というものがあります。これは、契約当事者のうち一方だけがもう一方に対して義務を負う契約のことです。

民法で定められている代表的な13種類の契約のうち、贈与、使用貸借、消費貸借、無償の委任、無償の寄託などが片務契約に該当します。

片務契約では、債務を負わない側は履行の拒否権や危険負担などの問題が生じません。

一方、「双務契約」とは、契約当事者の双方が互いに義務を負う契約のことです。例えば、売買契約では、売主は商品を引き渡す義務を持ち、買主は代金を支払う義務を負います。このような場合、同時履行の拒否権や危険負担の問題などが生じる可能性があります。

片務契約の定義と特徴

片務契約の定義と特徴

片務契約とは、一方が給付をし、もう一方が受領する契約です。受給者は給付の対価として何も行う必要はありません。片務契約には、贈与、寄付、消費貸借契約などがあります。

片務契約の特徴は、債務者の履行が一方的であることです。受領者は債務を負いません。そのため、片務契約では受領者に対して強制執行を行うことができません。また、片務契約は、受領者の意思表示によって成立します。つまり、受領者が給付を受けることを拒否すれば、契約は成立しません。

片務契約の典型例

片務契約の典型例

で触れているように、片務契約の典型例としては、次に挙げるものがあります。

寄付契約 寄付者が一方的に財産を贈与し、相手方はそれに対して義務を負いません。
贈与契約 贈与者が一方的に財産を贈与し、受贈者はそれを受領する義務がありますが、対価を支払う義務はありません。
遺言 遺言者が一方的に相続人に財産を遺贈し、相続人はそれを受領する義務がありますが、対価を支払う義務はありません。
貸借契約(無償) 貸し主が一方的に財産を貸し出し、借り手はそれを返還する義務がありますが、対価(賃料)を支払う義務はありません。
保証契約 保証人が一方的に債務者の債務を保証し、債務者が債務を履行できない場合に代わりに弁済する義務がありますが、債務者から対価を受け取る権利はありません。

双務契約との違い

双務契約との違い

双務契約との違いは、契約締結時に両当事者ともに債務権利が存在する点です。つまり、契約を履行する義務と、履行された場合に得られる権利をそれぞれ持っています。一方、片務契約では、債務を負う当事者と権利を有する当事者の双方が明確に分かれています。したがって、片務契約では、履行義務を負わない当事者に権利が発生することはありません。

片務契約のメリット・デメリット

片務契約のメリット・デメリット

-片務契約のメリット・デメリット-

一方の当事者が義務を負い、もう一方の当事者には権利のみが発生する片務契約は、利便性というメリットがあります。たとえば、寄付や贈与は片務契約であり、贈与をする側は義務を負いますが、受け取る側には支払いなどの義務がありません。ただし、片務契約のデメリットとして、義務を負う側の当事者が履行しないリスクがあります。履行を強制できないため、信頼できる相手にのみ適用するのが賢明です。

不動産取引における片務契約の活用例

不動産取引における片務契約の活用例

-不動産取引における片務契約の活用例-

不動産取引において、片務契約は特定の契約類型でよく利用されています。片務契約とは、当事者の一方が給付を行う義務を負う一方、他方は給付を受ける権利のみを有する契約です。

例えば、売買契約において、売主は物件を引き渡し、代金を受け取る義務を負います。対して、買主は代金のみを支払う義務を負い、物件を受け取る権利のみを有しています。これは、片務契約の典型的な例であり、不動産取引では頻繁に活用されます。

また、請負契約においても片務契約が用いられます。請負人は、特定の成果物を作成する義務を負い、契約者はその成果物を受け取る権利のみを有し、報酬を支払う義務を負いません。例えば、工務店が住宅を建築する場合、工務店は家を建築する義務を負い、施主は家を完成品として受け取る権利のみを有し、工費を支払います。

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