第1種市街地再開発事業|開発手法と施行者の違い

不動産取引の初心者
先生、「第1種市街地再開発事業」って何ですか?

不動産の研究家
「第1種市街地再開発事業」は、耐火建築物が少ない地域で実施される再開発事業のことだよ。この事業では、土地や建物の所有権が、マンションなどの「区分所有権」と交換されるんだ。

不動産取引の初心者
つまり、建て替えをして、新しい建物になると同時に、土地や建物の権利が変わるということですか?

不動産の研究家
そうだね。権利変換方式と言って、再開発事業によって得られた利益を、土地や建物の所有者で分配する仕組みなんだ。
第1種市街地再開発事業とは。
都市開発の用語「第一種市街地再開発事業」とは、一定の基準を満たす区域で実施される開発事業です。基準としては、「市街地再開発促進区域」または「一定耐火建築物の建地面積が全体の3分の1未満の高度利用地区」などが挙げられます。
この事業では、土地や建物の所有権などが、再開発後のビルやマンションの「区分所有権」などと交換されるのが一般的です(権利変換方式)。事業者は、個人、市街地再開発組合、地方自治体、都市再生機構、地方住宅供給公社などが想定されています。
第1種市街地再開発事業とは

第1種市街地再開発事業とは、都市機能の更新や防災性の向上を目的として、市街地の再生を図る事業です。この事業では、民間事業者と自治体が協力して、大規模な再開発を行います。民間事業者は土地の取得や建物の建築を担当し、自治体は道路や公園などの公共施設の整備を行います。
事業の対象となる地域は、混雑や老朽化、災害リスクなどの課題を抱えている地区が指定されます。事業の実施にあたっては、住民や事業者の意見を反映した再開発計画を作成し、国土交通大臣の認可を得る必要があります。
第1種市街地再開発事業の施行者

第1種市街地再開発事業の施行者は、権利変換計画を定めて事業を行う主体です。この事業は、主に地方自治体や民間事業者によって施行されます。
地方自治体が施行者となる場合は、市の整備計画や土地区画整理事業との連動性を考慮して事業が行われ、都市計画の改善や公共施設の整備が主な目的となります。一方、民間事業者が施行者となる場合は、事業採算性や利潤追求を目的とした商業施設や住宅などの開発が行われます。
権利変換方式の特徴

権利変換方式の特徴は、土地の所有権を放棄し、再開発事業によって生まれた建物の所有権を取得する方式です。これにより、事業前は土地のみを所有していた地権者は、事業後は建物も所有することになります。また、権利変換後に得られる建物の規模や用途は、事業前と異なる場合があります。
この方式のメリットとして挙げられるのは、事業費を土地の担保として賄いやすいことや、地権者が再開発後の建物の所有者に直接なることができることです。一方で、事業前の土地の権利割合と事業後の建物の所有割合が異なる場合、地権者間の調整が必要になることがあります。また、事業費が想定よりも高騰した場合、地権者の負担が増える可能性もあります。
第1種市街地再開発事業の進め方

第1種市街地再開発事業は、都市の再開発や活性化を目的として行われる事業です。その進め方は、以下のステップに分かれています。
1. -事業の計画-
まず、事業の対象となる地域が選定され、再開発計画が策定されます。この計画には、事業の目的や目標、再開発後の土地利用計画などが含まれます。
2. -事業の認可-
再開発計画が策定されると、建設大臣(現・国土交通大臣)に認可申請が提出されます。大臣は、計画が都市計画法の規定に適合しているかどうかを審査し、認可を行います。
3. -事業の施行-
認可が下りると、施行者が事業を実施します。施行者は、都市計画法に基づいて設立される特別の法人(再開発組合)です。再開発組合は、土地の買収や建物の建設、公共施設の設置などを行います。
4. -事業の完了-
事業が完了すると、再開発組合は解散され、再開発後の土地や建物が所有者や利用者に引き渡されます。
第1種市街地再開発事業のメリット・デメリット

-第1種市街地再開発事業のメリット・デメリット-
第1種市街地再開発事業は、都市における開発手法の一つで、古い建造物をまとめて取り壊し、新たな都市施設を建設するという特徴があります。この事業には、以下のようなメリットがあります。
* -施設の更新やインフラ整備が可能- 老朽化した建築物を新しい施設に更新したり、道路や公園といったインフラを整えたりすることで、都市環境を向上させることができます。
* -土地利用の最適化- 無駄な空き地や放置された土地を有効活用することで、土地利用を最適化できます。
一方で、この事業には以下のようなデメリットもあります。
* -事業費の高額化- 大規模な開発事業のため、莫大な費用が必要となります。
* -住民の移転や生活への影響- 開発区域内にある建築物の取り壊しによって、住民が移転を余儀なくされるため、生活に影響が出ます。
* -開発の遅延や中止のリスク- 事業に参画する関係者の合意形成や資金繰りに支障が出ると、開発が遅延したり中止したりするリスクがあります。